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「練行足」とは?非時系列チャートの特徴や「ローソク足」との違いを解説

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日本が世界に誇る「ローソク足」

日本在住のトレーダーに「最も馴染み深いチャートは何か」と尋ねたならば、まず間違いなく「ローソク足チャート」という答えが、最も多く寄せられることになるだろう。

 

今回は「ローソク足」に関する解説が主題ではないため、その見方や用途に関する詳細は割愛するが、「ローソク足」を活用することで、特定の時間における「始値」と「終値」、また「高値」と「安値」のみならず、相場の流れや勢いについても一目で把握することが可能だ。

そのため「ローソク足」は、非常に有用なテクニカル分析指標の一つとして、国内のみならず世界にも愛用者は多いのだが、実はその発祥については江戸時代の日本にまで遡るとされている。

 

また、「ローソク足」以外にも、「平均足」や「一目均衡表」など、日本に起源を持つテクニカル分析の手法は幾つも存在しており、後述する「練行足」もそのうちの一つだ。

 

 

 

同じく “日本生まれ” の「練行足」

練行足チャート

練行足チャート

時に「練り足(ねりあし)」とも呼ばれる「練行足(れんこうあし)」は、“日本の古典的なテクニカル分析指標” という意味では「ローソク足」と共通しているが、その特性においては、決定的な違いが存在していると言える。

その “決定的な違い” とは、「ローソク足」が「時系列系」のテクニカル分析指標であるのに対し、「練行足」は「非時系列系」に属する分析指標であるという点だ。

 

「時系列系」と「非時系列系」。テクニカル分析やインジケーターについて調べれば、遅かれ早かれ必ずと言っていいほどに遭遇する言葉だが、裁量取引を一切行うつもりのない人であっても、その意味や違いについて理解しておいても損はないだろう。

 

 

「時系列系」と「非時系列」との違い

ローソク足を用いる「ローソク足チャート」においては、任意に設定した時間が経過することで、自動的に次の足が形成されることとなり、つまり「一定時間の経過」こそが、足が形成されるための条件ということになる。

 

これに対し、「練行足チャート」においては、「時間」という要素は、足の形成条件には全く関わらない

そのため、「時間的な要素の関わらない特定の条件」を満たした場合にのみ、次の足が形成されることになる。

 

要するに、「時系列系」とは、「時間に関わる要素」も取り入れながら相場やチャートの分析を行う系統の指標や手法のことを指し、「非時系列系」とは、相場やチャートの分析に「時間に関わる要素」を取り入れない系統のものを指すということだ。

 

 

「練行足」の特徴とは?

では、肝心の「練行足」における “時間的な要素の関わらない特定の条件” が一体何なのかと言えば、「基準となった価格から一定以上の値動きが起こる」ことが、それにあたる。

 

裏を返せば、「一定以上の値動きが起こらない限り永遠に足が形成されない」ということでもあるため、時系列チャートにおいて何本も足が形成されている間に、練行足チャートの方では一本も足が形成されないという事態も、容易に起こり得る訳だ。

ただし、時間的な要素に左右されないということは、純粋に「特定の要素」だけについて相場を分析することが可能ということでもあるため、「練行足」は “値動きに特化したテクニカル分析指標” だと言えるだろう。

 

なお、足を形成するための値幅は、任意の値に設定することが可能だが、足の形成においては二つのパターンが存在しており、それぞれの場合において条件設定が異なっている。

 

パターンA:一定方向への値動きが続く場合

条件:「指定した値幅以上」の値動きが起こる

 

パターンB:上昇または下落に転じる場合

条件:「指定した値幅の二倍以上」の値動きが起こる

 

日数 価格 変動幅(前日比) 変動幅(繰越) 足形成
1日目 100円00銭
2日目 100円35銭 +35pips +35pips ×
3日目 100円55銭 +20pips +55pips  ↑ (陽線)
4日目 101円10銭 +55pips  ↑ (陽線)
5日目 100円40銭 -70pips -70pips ×
6日目 99円90銭 -50pips -120pips 〇(陰転)
7日目 99円30銭  -60pips  ↓ (陰線)
8日目 100円40銭 +110pips  〇(陽転)
9日目 100円65銭 +25pips  +30pips ×
10日目 101円50銭 +85pips  +110pips ↑ ↑(陽線)

 

「練行足」チャートにおいて、どのように足が形成されていくかについて、上掲の表を例にとって解説したい。足の形成条件となる値幅については、「50pips」に指定したものとする

 

まず、二日目に「35pips」の高値方向への値動きが見られるが、足を形成するための条件となる値幅の「50pips」に届いていないため、足は形成されず

しかしながら、三日目にさらに「20pips」だけ同一方向へ値動きしたことにより、累計が「55pips」に。「50pips以上の値動き」という条件が満たされたことで、陽線が形成される。

 

その後、四日目には、「55pips」の価格上昇とともに条件が満たされたため、さらにもう一本の陽線が形成。また、五日目には「70pips」もの下落が起きているが、「陰転」の条件となる「指定した値幅の二倍以上の値動き」には届いていないため、足は形成されていない

ただし、六日目に下落幅の累計が「120pips」となり、上述の条件が満たされたため、陰転が起こり陰線を形成。そのまま七日目も安値方向に「60pips」動き、「同一方向への50pips以上の値動き」が起こったことで、陰線がさらに一つ追加で形成されている。

 

「陽転」と「陰転」

価格の上昇傾向が続く中で、相場の流れ一気に下落傾向へと転じることを「陰転」と呼び、その逆の現象のことを「陽転」と呼ぶ

また、「練行足チャート」において陽転または陰転が起こった場合、自動的に「陽線(高値方向に条件が満たされた場合に形成される足)」または「陰線(安値方向に条件が満たされた場合に形成される足)」が形成されることになる。


なお、一般的に「練行足」において、陽転は「買いシグナル(買いポジションを建てる合図)」あるいは「上昇トレンド」、陰転は「売りシグナル(売りポジションを建てる合図)」ないしは「下降トレンド」と見なされている。

 

一方、八日目には、一気に価格が「110pips」もの上昇を遂げており、陽転」の発生とともに一本の陽線が追加。九日目は高値方向への値動きを見せるも、条件を満たせなかったため、足は形成されず

そして、十日目には、上昇幅の累計が「110pips」に達したことで、足形成の条件が二回満たされており、二本の陽線が形成されるに至っている。

 

なお、上記の解説においては、話を分かりやすくするために諸々の要素をかなり単純化しているため、実際はもう少し複雑になることを補足しておく。

 

 

「練行足」の利用方法について

「価格変動」以外の要素はすべて取っ払ってしまっている「練行足」は、その構造の単純さに起因する扱いやすさもあってか、国内よりもむしろ海外のトレーダーに愛用者の多いテクニカル分析指標だと言えるだろう。

一方、そのシンプルさとは裏腹に、他のインジケーター類と組み合わせた利用法など、「練行足」を用いた分析手法は数多く開発されているのだが、今回は「練行足」単体での最も代表的な活用方法に絞って紹介することにしたい。

 

サポートラインとレジスタンスラインを見つける

 

ブレイクアウトの発生を検知する

 

「サポートライン(下値支持線)」や「レジスタンスライン(上値抵抗線)」のレベルを見出すという手法は、まず間違いなく最も代表的な活用例だ。

また、それに付随して、しばしば「ブレイクアウト」の発生を検知し、ブレイクアウト直後のエントリーを狙う目的でも利用されているが、どちらも「価格変動」の分析に特化した「練行足」の特性を活かした用例だと言えるだろう。

 

 

まとめ

「ローソク足」や「平均足」に比べて、やや知名度では劣る「練行足」だが、単体での利用はもちろん、各種インジケーターと組み合わせることで応用の可能性が大きく広がるため、テクニカル分析指標としての有用性については、決して有名どころに劣るものではない

例えば、「売られすぎ」や「買われすぎ」の判断をより正確に下すために、定番インジケーターの「RSI」と組み合わせて利用する分析手法は、その好例の一つだろう。

 

なお、条件設定や相場の状況によっても大きく左右されるが、「一定以上の値動きが起こるまで足が形成されない」という特性上、基本的にシグナルの発生ペースは、あまり高くはなりにくい

別にそのこと自体は悪いことでも何でもないが、そのためスキャルピングのように高い頻度で取引を行いたい場合よりは、デイトレードやスイングトレードなど、比較的に緩やかなペースで取引を行う場合の方が、より「練行足」の利用は適していると言えるだろう。

 

いずれにせよ、何事にも “適材適所” というものがある。

今回の解説を通じて、「練行足」という “材木” がどのようなものかについて少しでも理解を深めてもらえたならば、幸いだ。

 

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