「売買を行う際に、購入または売却する価格を指定しない注文方法」のこと。
FXにおける注文方法の一つで、「注文を即時約定したい場合」に用いられる。なお、成行は「せいこう」ではなく「なりゆき」と読む。別名「プライス注文」。
成行で「売り注文」を入れた場合、「その時点で最も高い価格で買い注文を入れていた人」との間で、反対に成行で「買い注文」を入れた場合には、「最も安く売り注文を入れていた人」との間で、即座に取引が交わされることとなる。
別の注文方法に、購入または売却する価格を指定して注文できる「指値注文」と「逆指値注文」とがあるが、成行注文はそのどちらよりも約定が優先されるという特徴を持つ。
例えば、あらかじめAさんが指値注文で「1ドル=95円」での買い注文を入れていたとしても、後にBさんが成行で買い注文を入れた時点でレートが「1ドル=95円」の条件を満たし、二つの注文が重なった場合には、成行注文であるBさんの注文の方が優先して約定されることになる。
指値や逆指値注文のように、リスクとリターンのバランスを自分の裁量で調整しながら取引を行うことはできないものの、両者よりも取引を成立させやすい点がメリットとして挙げられる。
一方で、相場が激しく変動している場合などにおいて、成行注文を入れた直後に価格が変動し、注文時とは異なる価格で約定されてしまうリスク(=スリッページ)の存在が、デメリットと言える。
なお、スリッページによるリスクを最小限に抑えた類似の注文方法に、「ストリーミング注文」がある。