『Forex Winner Robot』の検証とレビュー

『Forex Winner Robot』評価

『Forex Winner Robot』

『Forex Winner Robot』基本情報

公式サイトによると、『Forex Winner Robot』は、あらゆる通貨ペアに対応するとのことだが、推奨される時間足については一言も言及されていない。

EAの中には、購入者特典のユーザーガイドの中でのみ運用設定に関する情報を詳述している製品もあるため、あるいはこのEAもそうなのかもしれないが、どことなく不親切な印象だ。

全部で四種類のメンバーシップが用意されているが、価格と利用可能な口座数を除けば、すべての仕様は共通となっている。

なお、利用可能な口座の最大数については、おそらく「リアル口座とデモ口座との合計数」だと推察されるが、詳しい記述は一切見当たらないため、実際のところは不明だ。

また、『Forex Winner Robot』は、海外製EAの世界においても希少な「60日間の無条件返金保証」を公約している。

ただし、公式サイト上には、プライバシーポリシーや免責事項、規約と条件に関する記述がまったく存在していない。

公式サイトに掲載されている画像

よって、この保証の信頼性は、 “60 Days Money Back（60日間の返金保証）” と “Satisfaction Guarantee（無条件保証）” と書かれた、ありふれたステッカーの画像によってのみ担保されていることになるため、過信は禁物だろう。

『Forex Winner Robot』の特徴

先日レビューを公開した『Forex Gump EA』なども同類項になるが、この『Forex Winner Robot』の機能や仕様について、公式サイト上で明らかにされている情報は、残念ながら非常に少ない。

僅かながらも明らかにされている情報に、公開されている取引履歴の内容から読み取れた情報を加えて、以下に共有したいと思う。

デイトレード的な様子を備えたスキャルピング系EA

非常に巨大なロットサイズ（左から2列目）で取引している様子が分かる

公式サイト上に公開されている取引履歴を見る限りでは、数十分から十数時間で決済されている取引が最も多く見受けられ、時に数十時間に渡ってポジションが保持される場合もあるようだ。

一方で、詳細な取引のロジックやアルゴリズムに関してはその一切が不明だが、取引履歴からは、このEAがロットサイズについてかなりアグレッシブな管理を行っていることも見て取れる。

当初は「0.02～0.03」ロット程度の大きさに過ぎなかったものの、証拠金の増加とともにロットサイズも加速度的に増大。

最終的に「30～50」ロット前後で安定を見せたが、一時は「100」ロットという途方もない数字にまで達したという事実からも、そのアグレッシブさ加減を窺い知れることだろう。

トレンドへの反応感度を調節できる

また、『Forex Winner Robot』には、「Trend sensitivity（トレンドに対する感度）」を調節できるパラメーターが用意されていることが明らかにされている。

公式サイトによると、このパラメーターに大きな値を入力すればするほど、EAは瞬間的な相場の動きに反応しないようになるとのこと。

取引時間の設定や、システムの反転運用が可能

そのほか、EAに取引させる時間を指定することや、システムを反転させて運用することも可能なようだ。

ただし、前者についてはともかく、後者に関して言えば、そもそもシステムの詳細についてまったく情報が開示されていないため、「システムの反転運用が可能」とだけ言われたところで、何一つ要領を得ないというのが正直な感想だ。

『Forex Winner Robot』の成績

EAの性能や実力を検証する上で、現在進行形で実施されており、かつ第三者機関によって信頼性の担保されたフォワードテストの成績を確認することの重要性については、当サイトの利用者ならば、もはや “言わずもがな” だろう。

にもかかわらず、『Forex Winner Robot』の公式サイト上に公開されているのは、過去の取引履歴のみという有様だ。

公式サイト上に公開されている取引履歴（※一部抜粋）

公開されている成績を鵜呑みにすれば、にわかに信じ難いほどに素晴らしい成績を収めていることになるが、MyfxbookやFXBlueなどの第三者機関からの認証を得ていない以上、幾らでもデータを捏造する余地は残されていると言えるだろう。

また、公式サイト上では、これ見よがしに “Monthly minimum profit 300%（最低月利300%）” が実現可能なことを謳い、フォワードテストの成績を確認させるために、MT4の口座情報も公開している。

しかしながら、指定のMT4をダウンロードし、与えられたログイン情報を入力しても、その口座にログインすることはできず、結局このEAの成績を確認することもできない。

よって、「このEAの成績について、確かなことはほとんど何も分からない」と結論付けざるを得ず、レビューを公開する身としては、何とも歯がゆい限りだ。

『Forex Winner Robot』の信頼性

その製品や販売会社が「SCAM（詐欺商材）」でないかどうかを、しっかりと見極めることの重要性については、これまでに数々のレビューを通じて、口を酸っぱくして強調してきたつもりだ。

そして今回は、話の発端が発端だけに、信頼性という観点に関しては、特に念入りに検証していきたいと思う。

信頼性の疑わしい成績しか公開していない

既に先ほど言及した通りだが、『Forex Winner Robot』の公式サイト上に、「第三者機関によって信頼性の担保されたフォワードテストの成績」というものは、一つたりとも公開されていない。

強いて言うならば、過去の取引履歴データは、Supre ForexというFX会社によって信頼性が担保されていると評価できなくもないが、EAの開発者とFX会社が結託して、詐欺目的で取引データの捏造を行うことは、ままあることだ。

特に怪しいところの見当たらない製品ならば、そのデータの信頼性を信じてみても良いかもしれないが、不審な点の方がむしろ多いと言える『Forex Winner Robot』において、公開されている情報を鵜呑みにするのは、やはり危険だと言わざるを得ないだろう。

なお、成績データの信頼性や認証の仕組みについて興味がある方は、下の記事を参照してほしい。

また、前述したMT4の件に関しても、以前は、きちんと前述のMT4にログインして成績を確認することが可能だったのかもしれない。あるいは、何らかの事情で成績の公開を中止したのだとしても、それもまたやむを得ない事情として、一定の理解は得られるものだと思われる。

しかしながら、仮にどんな理由であれ、公開を停止したフォワードテストの成績をそのまま放置し続けるのは、間違いなくずさんな対応だと言えるし、決してユーザーに対して誠実な行いとは言い難いだろう。

公式サイト上で公開されている情報が、あまりに少ない

公式サイト上に公開されている情報があまりに少なすぎるという点についても、信頼性に対する評価を下げる要因となり得る。

情報が多ければ多いほど良いという訳でもないが、『Forex Winner Robot』について言えば、文章の量はまだしも、その内容があまりに表面的なものばかりで、肝心の機能や仕様に関する情報については、ほぼ皆無に等しい。

前述の成績データの件も合わさり、その情報量の少なさは、もはや “不親切” を通り越して “不誠実” な印象を覚えるほどだ。

怪しげなFacebookページを公開している

今回、『Forex Winner Robot』の開発者と思しき人物のFacebookページが存在することを読者の方から教わったため、さっそく確認してみたところ、思わず乾いた笑いが漏れてしまうほどに怪しいものだった。

「Wairia Kungu」という名前を、上述したMT4の口座名の中にも確認できたところまでは良かったのだが、プロフィール画像の一覧を表示すると、何故かまったく別の人物の画像が登録されていることが分かる。

画像に寄せられたコメントから、元々はその “別人” の画像が「Wairia Kungu」の自画像として公開されていたようなのだが、現在のページ上には、その “別人” とは似ても似つかない容姿と背格好をした男性の画像が、「Wairia Kungu」の自画像として公開されているのだ。

まったく異なる二人の人物の自画像が登録されている

その時点で既に不審極まりないのだが、投稿されている記事の内容が、ひたすらに「月利300%」を強調する怪しげな画像ばかりということも、この製品への不信感に拍車をかける。

こんな怪しげなFacebookページを公開するくらいならば、いっそ何もしなかった方が良かっただろうにと思わざるを得ない。

「最低月利300%」という非現実的な謳い文句

上に関連して、「最低月利300%」という非現実的な謳い文句についても、十分に警戒すべきだろう。

先ほど、取引履歴の内容について検証する中でも軽く言及したが、このEAは、証拠金の増加に応じて「30～50」ロット、最大で「100」ロットという非常に大きなロットサイズで取引を行うことが判明している。

そもそも「最低月利300%」という “実績” が真っ赤な嘘だという可能性の方が高いのだが、もし仮に真実だったとしても、この恐ろしくハイリスクなロット管理に基づいた博打のようなものだと考えた方が良いはずだ。

前者の場合はもちろん、後者の場合であったにせよ、とても現実的な目標だとは言い難い。

「SCAM」認定をする口コミやレビューが多数

既にここまでの検証で数え役満の感は否めないものの、「SCAM（詐欺商材）」認定を下す口コミやレビューが数多く存在している事実にも触れざるを得ない。

ただし、厳密に言えば、『Forex Winner Robot』ではなく、『Forex Profitable EA』に対する悪評が多く寄せられているのだが、『Forex Winner Robot』は、『Forex Profitable EA』の名前を変えただけの同一製品である疑いが濃厚であるため、さしたる違いはないだろう。

事実、『Forex Winner Robot』の公式サイトにある購入ボタンをクリックすると、何故か『Forex Profitable EA』の販売ページへと移動させられてしまう。

『Forex Profitable EA』の販売ページ

『Forex Profitable EA』は「月利200%」を謳い文句に掲げるなど『Forex Winner Robot』との共通点は多く、おそらくは、詐欺商材にありがちな「同じ商材を名前だけ変えて再販する」という手口だと思われる。

仮に『Forex Winner Robot』が新たに一から開発された製品だったとしても、『Forex Profitable EA』に寄せられた口コミが伝える運営の悪質さを見るに、同じ集団が販売する商品にわざわざ手を出すような危険を冒すことはないだろう。

『Forex Winner Robot』の総評

既にお察しの通り、「『Forex Winner Robot』は、非常に高い確率でSCAM（詐欺商材）だと思われる」というのが、今回のレビューにおける忌憚なき結論だ。

あまり不確定なことを断定的に指摘するのも気が引けるが、数々の状況証拠から見て、少なくともこのEAが “黒に限りなく近い灰色” だということは間違いないだろう。

それでもなお、『Forex Winner Robot』を購入して運用してみたいというならば、いっそ自己責任の名の下に挑戦してみるのも一興かもしれないが、決して積極的におすすめはしない。

このEAを購入するくらいなら、宝くじでも購入した方が、まだしも建設的な資産運用だと言えそうだ。

それにしても、こうも露骨に怪しさをまき散らしてくれている分だけ、目にした人に警戒を促すという意味において、他の中途半端に胡散臭い製品よりも却って親切と言えるかもしれない。

わざわざ好き好んで危ない橋を渡らずとも、世の中にはもっと安全で安定した橋がそこかしこに存在していることを忘れないでほしい。

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