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前回の経過観察では、観察対象としている二つのカスタム設定のどちらもが、好ましい成長を見せていたが、はたして今回も、その順調ぶりを維持することはできたのだろうか。
期待に逸る胸を押さえつつ、粛々と確認していきたいと思う。
久方ぶりの後退を見せるも、ごく軽傷に
残念ながら、如何に堅実さと安定性に優れたカスタム設定とは言え、右肩上がりの成長を堅持し続けることはできなかったようだ。
資産曲線の形からも、運用開始以降では初と言えるほどに明らかな後退を見せている様子が見て取れるだろう。
具体的な数字の変動について言えば、やはり通算利益の落ち込みが目立つ。
ただし、元々が増加幅のあまり大きくない設定のため、減少幅についても同様に比較的に小さなものとなっている点は、不幸中の幸いといったところか。
また、プロフィットファクター(PF)の数字にも顕著な低下が見られるが、十九ヶ月間に及ぶ運用期間のうち、わずか二度目となる月間獲得利益でのマイナス成長を果たしてしまったことを思えば、致し方のないことだと言える。
『Default + TDI + TDI Slope + Dynamic』の実績
回数 | 通算利益 | 最大DD | 平均月利 | 通算勝率 | PF |
---|---|---|---|---|---|
初レビュー時 | 149.69% | 29.54% | 7.43% | 67% | 2.99 |
第1回 | 149.19% | 29.54% | 6.63% | 65% | 2.86 |
第2回 | 166.56% | 29.54% | 6.25% | 67% | 3.06 |
第3回 | 176.22% | 30.02% | 5.96% | 66% | 2.95 |
第4回 | 169.99% | 30.02% | 5.47% | 65% | 2.39 |
前回比 | -6.23% | ±0.0% | -0.49% | -1.0% | -0.56 |
累計 | +20.3% | -0.48% | -1.96% | -2.0% | -0.6 |
そのほか、平均月利と通算勝率も順当な落ち込みを見せているが、どちらの数字もまだまだ殊更に悲観的になる必要はない水準にあると言えるだろう。
喜ばしいことに、前回ごく僅かながらに更新されてしまった最大ドローダウンについても、今回は更新されることはなかった。
月間獲得利益の推移
2017年 | 2018年 | 2019年 | |
---|---|---|---|
1月 | ― | +9.61% | -3.62% |
2月 | ― | +14.91% | ― |
3月 | ― | +5.84% | ― |
4月 | ― | +6.22% | ― |
5月 | ― | +1.83% | ― |
6月 | ― | +5.09% | ― |
7月 | +1.69% | +7.48% | ― |
8月 | +14.89% | -1.94% | ― |
9月 | +13.59% | +1.78% | ― |
10月 | +5.65% | +3.88% | ― |
11月 | +2.44% | +2.98% | ― |
12月 | +6.73% | +5.09% | ― |
累計 | +44.99% | +62.77% | -3.62% |
ここからは、見所のあるカスタム設定として注目してきた「RSi x3 StochD M30 Scalper v4 1.0 Risk」について、前回から成績がどのように推移したかを確認していきたいと思う。
もはや、余計な言葉は不要だろう。資産曲線の形がすべてを物語ってくれているはずだ。
通算利益の数字は、前回比で「54.64%」も急落しており、その他の数字に関しても、軒並み劇的な悪化を見せている。
前回の経過観察で、実施期間の短いフォワードテストにおいて起こりがちな「成績の急激な悪化」の発生を危惧していたが、残念ながら今回、ハイリスクなロット管理が裏目に出て、その懸念が最悪に近い形で実現することとなってしまった。
『RSi x3 StochD M30 Scalpler v4 1.0Risk』の実績
回数 | 通算利益 | 最大DD | 平均月利 | 通算勝率 | PF |
---|---|---|---|---|---|
初レビュー時 | ― | ― | ― | ― | ― |
第1回 | ― | ― | ― | ― | ― |
第2回 | 22.64% | 8.58% | 6.78% | 69% | 3.41 |
第3回 | 31.96% | 13.97% | 6.88% | 68% | 3.05 |
第4回 | -22.68% | 43.51% | -4.59% | 63% | 0.72 |
前回比 | -54.64% | -29.54% | -11.47% | -5.0% | -2.33 |
累計 | -45.32% | -34.93% | -11.37% | -6.0% | -2.69 |
それでもどうにか褒めるべき点を探すならば、未だにフォワードテストが継続されている点が挙げられるくらいだろうか。
逆転の目があるのか、単なる悪あがきなのかまでは不明だが、成績が悪化してもなお継続されるフォワードテストの存在は、経過観察を通してEAの実力を図ろうとしている身としては、実にありがたいものだということは間違いないだろう。
なお、前回の経過観察において、「検証と観察の対象を広げてほしい」という要望を読者の方から頂いたため、今回新たに、別のカスタム設定『Flex Ea SRV1/SRV2/SRV3』を観察対象に加えることにしたい。
公開されている成績を見る限りでは、「デイトレード的な側面を持つスキャルピング系EA」といった風情のようだ。
また、『Default + TDI + TDI Slope + Dynamic』と『RSi x3 StochD M30 Scalpler v4 1.0Risk』がどちらも取引頻度の低い設定だったのに対し、『Flex Ea SRV1/SRV2/SRV3』の取引頻度は相対的にかなり高いことが分かる。
『Flex Ea SRV1/SRV2/SRV3』の実績
回数 | 通算利益 | 最大DD | 平均月利 | 通算勝率 | PF |
---|---|---|---|---|---|
初レビュー時 | ― | ― | ― | ― | ― |
第1回 | ― | ― | ― | ― | ― |
第2回 | ― | ― | ― | ― | ― |
第3回 | ― | ― | ― | ― | ― |
第4回 | 57.75% | 14.18% | 6.50% | 63% | 2.39 |
前回比 | ― | ― | ― | ― | ― |
累計 | ±0.0% | ±0.0% | ±0.0% | ±0.0% | ±0.0% |
さらに、観察対象としている項目すべてで好ましい数字を保っている上に、これまでの資産曲線の形から今後にも期待が持てそうな印象だが、やはり「フォワードテストの実施期間が短い」ことは、大きな懸念事項と言えるだろう。
とはいえ、実質的に破綻してしまった『RSi x3 StochD M30 Scalpler v4 1.0Risk』とは異なり、ロットサイズの管理も堅実だ。
さらに、スキャルピング系EAらしく確実に細かな利益を拾い上げていくスタイルのようなので、そう易々と破綻に追い込まれるようなことにはならなそうだ。
今回の総評
『RSi x3 StochD M30 Scalpler v4 1.0Risk』の破綻という波乱こそあったものの、本命の『Default + TDI + TDI Slope + Dynamic』については、非常に無難な成長を遂げたと言えるだろう。
もちろん、短期間における成績の推移という観点から見れば、今回は間違いなく “前進” ではなく “後退” に当たる。
しかしながら、そもそもこのカスタム設定は、スイングトレードを軸にしているため、その成績の推移などについても、中長期運用の視点に立って評価すべきはずだ。
その上で、「永遠に勝ち続けられるEAなどは存在せず、どんなに優秀なEAでも大なり小なりの勝利と敗北を繰り返して成長していく」という大原則を理解していれば、今回のマイナス成長幅は微々たるものに過ぎないことだろう。
さて、新たに観察対象に加えた『Flex Ea SRV1/SRV2/SRV3』は、期待を大きく上回る成長を見せてくれるだろうか。
瀕死の重傷を負ってしまった『RSi x3 StochD M30 Scalpler v4 1.0Risk』の奇跡的な復活にも期待しつつ、引き続き『Forex Flex EA』の経過観察を継続していきたいと思う。
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