『Forex Cyborg』評価
収益性:(4.0)
安定性:(5.0)
信頼性:(1.0)
総合評価
(1.0)※※SCAM警報※※
『Forex Cyborg』基本情報
- 【取引通貨ペア】: 最大18種類
対応している通貨ペア
● 米ドル/円(USDJPY)
● 米ドル/スイスフラン(USDCHF)
● 米ドル/カナダドル(USDCAD)
● ユーロ/円(EURJPY)
● ユーロ/米ドル(EURUSD)
● ユーロ/カナダドル(EURCAD)
● ユーロ/豪ドル(EURAUD)
● ユーロ/英ポンド(EURGBP)
● ユーロ/スイスフラン(EURCHF)
● 英ポンド/米ドル(GBPUSD)
● 英ポンド/カナダドル(GBPCAD)
● 英ポンド/豪ドル(GBPAUD)
● 英ポンド/スイスフラン(GBPCHF)
● 豪ドル/米ドル(AUDUSD)
● 豪ドル/カナダドル(AUDCAD)
● 豪ドル/スイスフラン(AUDCHF)
● カナダドル/円(CADJPY)
● カナダドル/スイスフラン(CADCHF)
- 【スタイル】: デイトレード ~ スイングトレード
- 【販売価格】: 229.99~599.99ドル(最大30日間の返金保証サービスあり)
『Forex Cyborg』に用意されているメンバーシップは「Basic」、「Standard」、「Gold」、「Premium」の計4種類。
各メンバーシップには、それぞれ「対応する通貨ペア」の数や、運用できるリアル口座の数において違いが見られる。
以下に、各メンバーシップの特徴を簡単にまとめてみた。
各メンバーシップの特徴
◇「Basic」
- 価格:299.99ユーロ
- 対応する通貨ペアの数:7種類
- 利用可能なリアル口座数:最大1つまで
- 利用可能なデモ口座数:制限なし
◇「Standard」
- 価格:399.99ユーロ
- 対応する通貨ペアの数:7種類
- 利用可能なリアル口座数:最大3つまで
- 利用可能なデモ口座数:制限なし
◇「Gold」
- 価格:499.99ユーロ
- 対応する通貨ペアの数:18種類
- 利用可能なリアル口座数:最大1つまで
- 利用可能なデモ口座数:制限なし
◇「Premium」
- 価格:599.99ユーロ
- 対応する通貨ペアの数:18種類
- 利用可能なリアル口座数:最大3つまで
- 利用可能なデモ口座数:制限なし
「Gold」と「Premium」では、上記の18種類すべての通貨ペアで取引することができるが、「Basic」と「Standard」においては、7種類にまでその数が制限される。
「Basic」&「Standard」メンバーシップの対応通貨ペア
- 米ドル/スイスフラン
- ユーロ/米ドル
- ユーロ/豪ドル
- ユーロ/英ポンド
- ユーロ/スイスフラン
- 英ポンド/米ドル
- 豪ドル/カナダドル
なお、7種類の通貨ペアの中には、日本国内でも特に人気の高い通貨ペアの1つである「米ドル/円」は含まれていない。「米ドル/円」での取引をしたい場合には、最低でも「Gold」を購入する必要がある。
また、どのメンバーシップにも、無期限の「専用サポート」および「ソフトウェアアップデート」が含まれているほか、最大30日間の返金保証サービスも提供されている。
『Forex Cyborg』の特徴
「数十分から数時間程度の短い間隔で取引を重ね、そこそこの大きさの利食いを狙い続ける」というデイトレード的な取引スタイルを基本にしていることが、取引履歴から分かる。
また、時には十数時間から数日間にかけてポジションを維持する場合もあり、スイングトレード的な一面も持ち合わせているようだが、比率で言えば、デイトレード的な特性の方が強い。
ただ一つ、このデータに関して気がかりなことがある。数ヶ月前を境に「取引分析(Trade Analytics)」が、いきなり公開されなくなったことだ。
上の画像は、Myfxbook上で公開されている『Forex Cyborg』のリアル口座での取引履歴の一部をキャプチャしたものだが、一般的に右端の空白部分には、その取引に関する分析データ(取引分析)が、折れ線グラフと共に表示される。
そして、取引分析には、取引履歴の一覧データからは読み取れない情報も記載されているのだが、そんな重要なデータをいきなり完全に非公開としてしまった訳だ。
下の画像は、「Forex Flex EA」の取引履歴をキャプチャした画像だが、両者の右端の様子を見比べれば、その違いは一目瞭然だ。
最初から非公開を貫いていたというなら話も分かるが、4ヶ月ほど前までは普通に公開していたものを、なぜ急に非公開としたのか。
詐欺商材(SCAM)で溢れ返る投資の世界に生きる身としては、嫌でも「開発者にとって、何か不都合な事実を隠蔽するためではないのか」と勘繰らざるを得ない。
悪意に基づいた犯行ではなく、純粋に何か納得せざるを得ない事情があっての苦肉の策だと好意的に解釈することもできなくはないが、いずれにせよ誠実な行動だとはとても言い難いだろう。
こんなあからさまに不審な動きを見せれば、データを目にした人に不信感を抱かせるとは考えなかったのだろうか。少なくとも製品を評価する上では、間違いなく減点だ。
『Forex Cyborg』の成績
資産曲線を見る限りでは、「実に美しい右肩上がり」とまでは褒められないものの、運用期間の全体を通じて安定して利益を上げ続けていることが分かる。
14ヶ月間の運用期間での利益は167%とかなり優秀だ。また、月平均に換算した利益では6.88%とややインパクトには欠けるが、最大ドローダウンも25%程度に抑えられているところを見るに、堅実なシステムだと評価できる。
通算勝率も70%の大台を目前にしているほか、システムの優秀さを測る指標のプロフィットファクターも「1.69」となかなかに優秀な上に、このデータの信頼性についても、Myfxbookによって認証されている。
成績自体は素晴らしいものだと評価できるが、それだけに前述の不審な行動が、ますますこのEAへの印象に影を落とす。
また、こちらの成績データは、別の口座で運用されている『Forex Cyborg』のもの。運用期間はまだ半年とやや短いが、こちらも同様にかなり優秀な成績を収めていることが分かる。
しかしながら、こちらはデータの信頼性についてMyfxbookからの認証が取れていないため、あくまでも参考程度にとどめておくべきだろう。
『Forex Cyborg』の信頼性
さて、ここまで読み進めたならばもうお気づきだとは思うが、『Forex Cyborg』は、「SCAM(詐欺商材)」である疑いが非常に濃厚だと、個人的に確信している。
このEAが搭載している(とされる)機能の紹介を端折らせてもらったのは、そういう理由からでもある。
もちろん、「そもそも紹介すべきような情報がほとんど明らかにされていない」というのが最大の理由なのだが、それについては後述したい。いずれにせよ、詐欺と認定した商材の片棒を担ぐような真似をするほど、奇特でもなければ暇でもないということだ。
以下に、このEAがSCAMであると考えた根拠を羅列していきたいと思う。
公式と購入者とで、報告される成績に大きなずれがある
前述したように、公式に公開されている成績データを見る限りでは、収益性と安定性を高い次元で両立させた優秀なシステムだと、素直に評価せざるを得ない。
しかしながら、実際にこのEAを購入した多くのユーザーから寄せられた報告からは、まったく異なるEAとしての姿が描き出される。
まず、公式に謳われているEAの勝率は77%と相当に高いものだが、海外のレビューサイトが実施した調査では、実際に運用した人々からの報告を基に算出された平均勝率は、わずかに40%前後だったとのことだ。
もちろん、サンプル数が少ないことには十分に留意すべきだろうが、同様に「少なくとも1つの調査でそういった結果が出た」という事実も、決して軽視すべきではないだろう。
また、このEAに低い評価を与えたり、詐欺商材だと強く疑ったりしているレビューの数はかなり多いのだが、一方で高く評価しているレビューを探すとなると、途端に『Forex Cyborg』の名は見当たらなくなってしまう。
公式から得られる情報以外で、何とかこのEAの良いところを探ろうとしてみたものの、ほぼ完全に徒労に終わってしまった。
元々は、捏造の余地がある成績データしか公開されていなかった
今でこそ、Myfxbook上にフォワードテストの成績が公開されているが、「当初は信憑性に難のある怪しげなバックテストのデータしか公開されていなかった」という事実についても、指摘しない訳にはいかない。
この怪しげなデータは今なお公式サイト上に公開されているが、Myfxbookのような第三者機関の存在によって信頼性が担保されている訳ではなく、幾らでも自分たちに都合の良いように数字を捏造できるものでしかないのが、大きな問題だ。
「10年間分ものバックテストを経て発売されたEA」と言えば、聞こえは良いかもしれないが、所詮バックテストはバックテストに過ぎず、第三者によって認証されたフォワードテスト成績の信頼性に到底及ぶものではない。
重要なのは、やはり “現在や将来の成功に対する保証” であって、“過去の事実に対するお墨付き” ではないだろう。
捏造された人物からの推薦を受けている
公式サイト上には、このEAを利用している「Vladimir」と名乗るユーザーからの「お客様の声」を掲載しているが、そのプロフィールに使われている画像は、海外の写真販売サービスに登録されているものだと判明した。
上の画像は、こちらのレビューからお借りしてきたものだが、彼の画像は、「Brandon Reed」という人物のものとして、実に多くのサイトで使用されているようだ。
評価やレビューを捏造して掲載すること自体は、程度に差はあれど、他の多くのサイトでも似たような行為は見られるため、この一点だけ見れば、そこまで悪質だとは言えない。
「Forex Cyborg」が真に悪質だと言えるのは、既に公式サイト上からこのVladimirの存在を完全に抹消し、別の人物から寄せられた “とされている” レビューをいけしゃあしゃあと掲載している点にこそある。
その内容の詳細は、そのレビュワーが運営しているアフィリエイトブログ上で確認できるが、世間一般からの評価と比較しても、異様なまでに高い評価を与えているあたり、いよいよ “数え役満” だろう。
明らかにされている情報が少なく不透明
公式サイトと言えば、製品の魅力をアピールしようと、様々な煽情的な言葉や情報で溢れ返りがちなものだが、『Forex Cyborg』について言えば、むしろ不安を煽られるほどに得られる情報量が少ない。
ほとんどの特徴や機能については、ごく簡潔な一文で説明が終わってしまっている上に、その説明自体も要領を得ないものだったり、表面的な部分だけに言及したりしているものばかりだ。もしかして極度の恥ずかしがり屋さんなのだろうか。
だから、公式サイトを上から下までしっかりと目を通しても、このEAの詳細についてはほとんど理解できないし、優れた成績を収めてくれるだろうと信じるに足る根拠なども得られない。
意図的に与える情報を制限して、本質的な部分をはぐらかしているようにさえ感じられるが、デザイン的に洗練された公式サイトの作り込みとは、やはりちぐはぐな印象を覚える。
『Forex Cyborg』の総評
ここまで、様々な観点から『Forex Cyborg』がSCAM(詐欺商材)かどうかを検証してきたが、やはり最も問題視すべきなのは、公式に発表されている成績の良さと、実際にユーザーから報告されている成績の悪さとの乖離の大きさだろう。
なお、自動売買やEAというものの性質上、同じEAを運用すれば、誰もが同じように勝てる訳ではないことは、揺るぎない事実だと言える。
EAのパラメーター設定が少し違えば、通貨ペアや口座を開設しているFX会社が異なれば、取引を行う時期やタイミングが変わってしまえば、例えばそんな些細な差が、大きな勝敗の差を生むことだってあり得るだろう。
だが、その理屈と擦り合わせて考えてみても、『Forex Cyborg』に関しては、期待される成績を遥かに下回る結果の報告が多すぎるように思われる。「このEAで、大きな勝利を収めました!」といった報告をまったく見かけないのも、その理屈から言えば不自然だ。
ただし、一方では、Myfxbookに公開されているデータの信頼性については確かなものであり、それ自体を否定することもできない。
である以上、方や大きな勝利を収め、片や大きな敗北を喫していることの裏側には、何かしらの原因やカラクリがあるに違いないはずだ。
違いないはずなのだが、そのカラクリを解き明かすことに労力を注ぎ込むくらいならば、もっと素性が明らかで信頼でき、同等以上に性能の良いEAを入手し運用することに、さっさと全力を傾けた方がずっと賢明だろう。
なお、日本製EAについて言えば、バックテストの結果しか公開していないような “分かりやすい” 詐欺商材を未だに数多く見かけるが、少なくとも現在の海外製EAの世界において、フォワードテストの結果を公開しないということは基本的にあり得ない。
その分、嘘を嘘だと確信をもって看破することはより難しくなってしまっているのだが、それでもやはり、「Forex Cyborgは、SCAMである疑いが非常に濃厚だ」という個人的な結論は揺らがない。
一度手を出した手前もあるし、SCAMと認定したからといって検証やレビューをやめてしまうのも、このEAに負けたようで癪なので最後まで完成させたが、奪われた時間と労力を思うと物悲しく、腹立たしい。
せめて、このレビューによって、詐欺商材に騙される人が一人でも減ってくれることを切に祈っている。
ランキングに参加しています。応援よろしくお願いします。