レビュー後、初の経過観察
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『FXAutoPips』の検証とレビュー
『FXAutoPips』評価 『FXAutoPips』 収益性:(4.0) 安定性:(2.5) 信頼性:(3.0) 総合評価 (3.0)☆☆ 変わり種! ☆☆ ※下記理由【1】によ ...
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先日、「スキャルピングの手法に着想を得た非スキャルピング系EA」として『FXAutoPips』を始めて紹介してから、早くも一ヶ月が過ぎ去った。
前回は、「損切り」による損失制御からの「リカバリーモード」によるV字回復を見事に決めてみせていたが、経過観察としては初回となる今回、はたしてどのような展開を見せたのだろうか。
再び損切りも、再び華麗なV字回復
資産曲線の右端に鎮座する「W」の文字を見れば、直近の期間に何が起こったは瞬時に理解できることだろうが、『FXAutoPips』は今回、再び「損切りからのV字回復」を完璧な形で達成してみせる格好となった。
前回のレビュー公開直後、「コロナ禍」の余波で揺れ動き続ける市場で均衡を失ってしまい、その勢いのまま一気に損切りに至ってしまったものの、これまでと同様、損切り直後の取引一回だけで損失分を上回る利益を獲得してみせている。
過去の取引履歴を分析した限りでは、実行の精度には多少の “ぶれ” も見られるものの、損切り直後に自動的に有効化される「リカバリーモード(損失回復モード)」においては、ポジションの含み益が「150.0pips」に達したら利確するように設定されている模様。
今回に関しても、「25日間」もポジションを保有し続けた結果、最終的には「148.6pips」の利益を確定させるに至っていることが取引履歴に確認できる。
その結果、一瞬は300%台にまで落ち込みをみせた「通算利益」の成績も、現在では損切り直前の数字を上回っており、今回も一時的なピンチに冷静に対処し、状況をしっかりと振り出しに戻してみせたと言えるだろう。
『FXAutoPips』の実績
回数 | 通算利益 | 最大DD | 平均月利 | 通算勝率 | PF |
---|---|---|---|---|---|
初レビュ―時 | 606.43% | 39.81% | 9.25% | 69% | 1.82 |
第1回 | 622.72% | 39.81% | 8.77% | 68% | 1.64 |
前回比 | +16.29% | ±0.00% | -0.48% | -1.0% | -0.18 |
累計 | +16.29% | ±0.00% |
-0.48% | -1.0% | -0.18 |
回数 | 損益(pips) | 損益(金額) |
---|---|---|
初レビュ―時 | ー | ー |
第1回 | +13.1 pips | +84.57 ドル |
前回比 | ー | ー |
累計 | +13.1 pips | +84.57 ドル |
一方、「平均月利」と「プロフィットファクター(PF)」については、どちらも成績を悪化させてしまっていることに気付く。
だが、これらの変化に関しては、「通算利益」の数字を前回から上積みすることに成功したとは言え、その過程が過程だったことを思えば、実に順当な結果だと言えるだろう。
『FXAutoPips』の月度別成績
2020年 | |||
---|---|---|---|
成長率(%) | pips | 金額(USD) | |
1月 | +7.97 | +34.6 | +233.12 |
2月 | +3.01 | +15.6 | +95.19 |
3月 | +11.71 | +55.8 | +380.90 |
4月 | -32.07 | -150.1 | -1,165.52 |
5月 | +51.92 | +148.6 | +1,282.10 |
6月 | ー | ー | ー |
7月 | ー | ー | ー |
8月 | ー | ー | ー |
9月 | ー | ー | ー |
10月 | ー | ー | ー |
11月 | ー | ー | ー |
12月 | ー | ー | ー |
累計 | +74.61 % | +254.6 pips | +1,991.31 USD |
※USD = 米ドル
なお、「月度別成績」を見ると、直近の期間における『FXAutoPips』と為替市場との目まぐるしい “攻防” の様子を、より強く実感できるように思われる。
実際、先々月から先月にかけての「pips」と「金額」の推移を見るだけで、資産曲線上に美しい「V」の文字が刻まれる様子が脳裏に浮かぶことだろう。
ちなみに、先々月の損失と先月の利益がおよそ同程度であるにもかかわらず、「成長率」の数字の明確な差が生じているのは、その数字が「月初時点での口座残高(証拠金)」に基づいて算出されるためということを、何とはなしに補足しておきたい。
今回の総評
今回の『FXAutoPips』の成長ぶりについては、分析の焦点をどこに当てるかで見え方が大きく変わってきてしまう部分があり、最終的な評価についても賛否両論となって然るべきものだと言えるだろう。
実際、「ロジックと設定に従って的確に損切りを実行し、ロジックと設定に従って的確かつ即座に損失を回復させた」という客観的な事実に対して、例えば「安定性」という観点から見た時には、「損切りが実行された時点で問答無用で不安定」だと評価することができる。
一方で、「適切に損切りし、即座に成績を回復させているのだからシステムとしては安定している」という全く異なる評価を下すことも可能なはずだろう。
なお、取引履歴を確認してみると、今回の損切り時のドローダウンが「33.32%」となっていることが分かる。
前回まではリスク設定が「40%」に設定されていたようだが、前回の損切りを受けて、現在は安全マージンを大きく取る意味で、昨年の二月から三月頃までと同様に設定値を「30%」にまで引き下げたと見て良さそうだ。
あるいは、これまでは必ず設定値のやや手前で損切りが実行されてきていることを思うと、「35%」に再設定された可能性もあり得そうだが、いずれにせよ現在は「40%」より低く設定されていることは間違いないだろう。
負けることを悪として「決して負けないように闘う」のではなく、負けてしまうことは前提として「上手に負けながら勝つべきところできちんと勝ちを積み上げる」というより現実的な戦略に則っているとも言える『FXAutoPips』。
賛否も好みも分かれそうな “癖のある” このEAが、はたしてこの先どのような成長を見せてくれるのか、腰を据えて見届けていきたいと思う。
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