前回のレビューから約2ヶ月が経過
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『Volatility Factor 2.0 Pro』の検証とレビュー
『Volatility Factor 2.0 Pro』評価 『Volatility Factor 2.0 Pr ...
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前回レビュー時に、『収益性と安定性、信頼性という評価の三本柱において、際立った弱点もない一方で、特筆すべき強みにも欠けている』と評価したが、はたして二ヶ月という時間を経たことで、その評価はどのように変わったのだろうか。
優秀なEAとして知られる『WallStreet Forex Robot 2.0 Evolution』の “弟分” のような存在だけに、期待して見ていきたいと思う。
一進一退を繰り返しながらも、着実な成長を遂げる
資産曲線の形を見ても分かるように、この『Volatility Factor 2.0 Pro』は、お行儀よろしく素直に右肩上がりの成長を見せてくれるようなEAではない。この点については、二ヶ月程度で変化することはなかったようだ。
しかしながら、落とし穴にはまったかのような急落を時折見せてはいるものの、下に向かって落ち続けることはなく、すぐに穴から這い出ると、再び右上に向かって確実に歩を進める「粘り強さ」を見せている。
この辺りの特徴は、『WallStreet Forex Robot 2.0 Evolution』とも共通するところで、さすがは “兄弟分” といったところだろうか。
前回レビュー時の通算利益は「87.75%」だったが、現在は「108.45%」にまで、その数字を伸ばすことに成功している。一時的な後退を見せても、ある程度の時間を掛けて確実に元の水準以上に戻している様子が、上の資産曲線に見て取れることだろう。
一方で、最大ドローダウンの更新こそなかったものの、平均月利は大きく低下。それに伴い、通算勝率とプロフィットファクター(PF)の項目についても、マイナス成長を記録した。
『Volatility Factor 2.0 Pro』の実績
通算利益 | 最大DD | 平均月利 | 通算勝率 | PF | |
---|---|---|---|---|---|
2018年8月 | 87.75% | 30.15% | 17.40% | 77% | 1.55 |
2018年10月 | 108.45% | 30.15% | 12.56% | 76% | 1.40 |
前回比 | +20.7% | ±0.0% | -4.84% | -1.0% | -1.5 |
表に記して一覧すると、やはり平均月利の低下が目立つが、これはフォワードテストの実施期間が、まだあまり長くないことも考慮に入れられるべきだろう。
実施期間は、今月で7ヶ月目となるため、特定の一ヶ月間における成績が、まだまだ全体の数字に大きな影響を及ぼすことになる。
裏を返せば、近々の一ヶ月間で大きなプラス成長を遂げた場合には、平均月利の数字も大きく伸びることになるため、『Volatility Factor 2.0 Pro』の平均月利の数字については、まだしばらくは “参考記録” のように捉えておいた方が良さそうだ。
月間獲得利益の推移
2018年 | |
---|---|
1月 | ー |
2月 | ー |
3月 | ー |
4月 | +42.07% |
5月 | +30.75% |
6月 | -17.12% |
7月 | +17.97% |
8月 | +14.9% |
9月 | -7.68% |
10月 | ー |
11月 | ー |
12月 | ー |
累計 | +80.89% |
他方、先にも述べたように、通算利益は前回比で「20.7%」増を達成。実際にはもっと複雑だが、単純計算で、一ヶ月当たり「約10%」のペースで数字を伸ばした形となる。
一進一退の攻防を繰り返す中での成長幅と考えれば、決して悪い数字ではないと分かってはいるが、それだけに「もし順調に成長していたら」と想いを馳せずにもいられないのは、欲深い人間の悲しい性だろう。
なお、直近の約二ヶ月間に更新された取引履歴を見ても、「リスクを可能な限り低く抑えつつ、10pips前後の利益を着実に積み重ねていく」という基本戦略に変化は見られなかった。
現状、その戦略が一定以上の成功を収めている以上、無意味に変化を求める必要はないと言えるが、今後のアップデートによる洗練と進化には大いに期待したい。
今回の総評
今回の経過観察を通して得た結論としては、『長期運用を前提としたEAとして、実力と魅力を増した』といったところだろうか。
およそ二ヶ月の間に、成績が一時的に下向いたとしても、そのまま大崩れさせずに復調させられる “腰の強さ” が実証され、前回レビュー時と比較して、EAとしての評価に大きく加点される形となった。
今年6月、通算利益は一度目のピークを迎えた直後に大幅な急落を見せたが、その後は堅実に成績を復調させ、今年9月中旬には通算利益の最高記録を達成。その二度目のピーク直後にやや調子を落としたものの、今またその頂点を更新しようとしている。
前回のレビューでは、『Volatility Factor 2.0 Pro』について、「メインEAとしてではなく、ポートフォリオに組み込むサブEAとして魅力的」と評価したが、ここに来て「メインEAとしての可能性」に大きく道が開けてきた印象だ。
とは言うものの、サブEAとしての魅力が損なわれたのかと言えば、断じて違う。むしろ今回、安定感への評価が高まったことにより、サブEAとしての価値も同時に高まったと言えるだろう。
短い間に大きく評価と印象を好転させたとは言え、裏を返せば、近い将来に評価や印象が悪化する恐れもあるということであり、まだまだ油断は禁物だ。だが、このまま良い方向に成長が続く可能性を十分に秘めており、またこの二ヶ月間の成績も、大いにそれを感じさせるものだったと言える。
期待を込めて、今後も経過の観察を続けたいと思う。
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