前回のレビューから、約一ヶ月半
-
『Forex Flex EA』の検証とレビュー
『Forex Flex EA』評価 『Forex Flex EA』 収益性:(4.5) 安定性:(5.0) 信頼性:(4.0) 総合評価 (4.5)☆ ...
続きを見る
発売から現在に至るまで、開発者による継続的かつ精力的なアップデートと、購入者による活発なコミュニティ運営の続く『Forex Flex EA』。前回のレビューからたかだか一ヶ月半が経過したくらいでは、その美点に変わりは見られない。
多彩な「デフォルト戦略」に加え、コミュニティ参加者たちによって熱心に改良されされ続ける「カスタム戦略」の数々は、このEAの大きな魅力となっているが、今回は、主に後者の方に焦点を当てたいと思う。
堅実な戦略から収益性重視の戦略まで
まずは、前回のレビューでも取り上げたカスタム戦略の成績が、どのように推移したかについて確認したい。
通算利益はほぼ完全に横這いとなり、最大ドローダウンにも更新は見られなかった一方で、平均月利は1%近く減少。また、プロフィットファクターも「2.99」から「2.86」へと低下しているほか、通算勝率についても2%ほどの落ち込みが見られる。
ただし、直近のおよそ一ヶ月半の間に行われた取引の回数は、わずか三回程度であるため、一回の取引の結果が全体の成績に及ぼす影響は大きいと言える。
取引履歴を見れば分かるが、この戦略はスイングトレードを基礎としており、ポジションの平均保有時間は「16日間」となっている。一回の取引あたりの平均利益ついても「82.59pips」、平均損失については「79.63pips」と、どちらもスイングトレードらしい数字と言えるだろう。
ロット数の管理について言えば、時折「1.0ロット」以上の取引が行われることがあるものの、大半の取引は「0.5ロット」以下の取引量で管理されているようだ。
運用が開始されてから今日に至るまでの月間獲得利益の推移を見ても、僅かなマイナス成長を見せたこと2018年8月まで、十三ヶ月連続でプラス成長を記録している点も見逃せない。
まさに、長期的かつ安定した資産運用をするには打ってつけの戦略だと言えるが、今回はもう一つ、「堅実で安定している」という共通点を持つデフォルト戦略についても見ていきたい。
十種類以上も用意されているデフォルト戦略の中でも “王道” と呼ぶに相応しい「Default」を、より安定性と確実性を重視したパラメーターに設定した戦略の成績が、上のグラフに描かれている。
2015年9月からの約3年間における通算利益は、約「211%」。平均月利は「3%強」とあまり高くはないものの、プロフィットファクターは「3.28」とかなり高く、約「68%」という通算勝率も、決して悪い数字ではない。
また、最大ドローダウンは約「31%」とやや膨らんでいると言えるが、資産曲線の形を見れば、運用期間を通じて含み損をほとんど抱えることなく堅調に成長し続けてきたことが分かるだろう。
その安定性の高さは、2015年9月以来、2017年4月および2018年4月の二ヶ月以外は、すべてプラス成長を記録しているという実績に表れている。
取引手法について言えば、ポジションの平均保有時間は「1日」となっており、先ほどの戦略よりもかなりデイトレード的な要素が強い。その分、取引回数も多くなっているが、一回の取引あたりの平均利益と平均損失は、ともに「20pips」程度にまで小さくなっている。
さて、ここまでは、安定性と堅実性に優れた戦略の成績について見てきたが、ここからは、より収益性を重視した戦略を二つほど見ていきたいと思う。
ただし、どちらの成績データも公式サイトに掲載されているものではあるが、「デモ口座」にて運用されたものであるため、リアル口座で運用した時とは大なり小なり挙動や結果が異なるだろうことを留意しておいてほしい。
運用からまだ八ヶ月程度にもかかわらず、通算利益は約「470%」にまで膨らんでいるほか、「25%」以上という目覚ましい平均月利を実現。
それでいて、最大ドローダウンは「30%」以下に抑えられているほか、通算勝率とプロフィットファクターも、それぞれ「65%」と「2.99」という好ましい数字となっている。
「17時間35分」というポジションの平均保有時間からも分かるように、デイトレード的な取引手法を基礎にしているほか、取引あたりの平均損益は約「30pips」と、それなりにまとまった利益を狙う戦略であるようだ。
一方で、取引履歴を見ると、ロット数の大きさが目立つ。口座の残高が増大するにつれてロット数も大きくなっているようだが、直近では最大で「6.82ロット」という大きさにまで膨らんでいる。
並外れて高い平均月利の裏には、当然それ相応のリスクが伴っていた訳で、やはりそんなに旨い話がそうそう転がっているはずもない。とはいえ、運用期間中の月間成績を見やると、見事にすべて黒字となっている。
また、もう一方での戦略は、「Half Grid」というデフォルト戦略に、有志が作成したカスタム設定ファイルを適用したものとなるが、「リスクを抑えたマーチンゲール法」を採用しているだけあって、資産曲線の形は見事な右肩上がりとなっている。
こちらも約八ヶ月間の運用期間において、既に「580%」以上もの通算利益を獲得。「28.25%」という平均月利の高さも、実にマーチンゲール法を採用する戦略らしい。
最大ドローダウンも「22.68%」と低めに抑えられているほか、通算勝率は「63%」とやや物足りない気もするが、「2.56」というプロフィットファクターの数字は立派だろう。
また、こちらも残高の増大に合わせて取引量が大きくなるように管理されているようだが、やはりマーチンゲール法だけあってロット数は大きくなりがちであり、最大で「12.75ロット」の取引が行われていることを確認した。
なお、平均損益は「30%」前後、平均ポジション保有時間は「1日」。月間獲得利益についても、手放しで拍手を贈りたいほど見ていて実に気持ちが良い。
ただし、繰り返しとなるが、上二つの成績データは、どちらもデモ口座で運用された戦略のものとなるため、リアル口座においても同様の成績を叩き出してくれるという保証はない。
とはいえ、『Forex Flex EA』が、選ぶ戦略一つ、適用する設定一つで、その特性や性能を大きく変化させることについては、理解していただけたことと思う。
今回の総評
公式サイト上では多くの成績データが公開されているが、直近の成績だけを見ても、押し並べて順調または横ばいの成長を見せているのは、EAの動向を追う身としては実に喜ばしい限りだ。
少なくとも公式成績を見る限りでは、収益性と安定性とのバランスについても、全体的に良い塩梅となっているように見受けられる。
それにしても、設定一つでEAとしての特性を大きく変化させる柔軟性の高さを見ると、「単体で運用するEA」としてはもちろん、「ポートフォリオに組み込むEA」としても非常に魅力的に思える。
一般的には、EA同士の相性が悪ければ、どちらか一方のEAをポートフォリオから外す必要があるが、『Forex Flex EA』ならば、戦略や設定を変更するだけでどんなEAとも “相性の良い関係” を築き上げることができるかもしれない。
この調子がどこまで続くかは分からないが、開発者やコミュニティの活発さを見ていると、EAとして一時的に調子が落ちても、彼らによってすぐさま改善が図られ、早期に復調することとなりそうだ。
何にせよ、まだまだ『Forex Flex EA』の動向を追いかけていきたいと思う。
ランキングに参加しています。応援よろしくお願いします。