巧みな損失制御を見せた前回
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前回、あまり良くない流れに捕らわれてしまったものの、上手くダメージをコントロールして損害を軽微に抑えてみせた『Trader's Moon』。
成長と停滞のサイクルは必定だと言えるが、はたして『Trader's Moon』は、早々に良い流れを取り戻すことができたのだろうか。
設計通りの動きを見せて成長再開
前回の経過観察においては、ごく僅かながらも成績を後退させてしまっていた『Trader's Moon』だったが、幸いなことに今回、悪い流れをすぐに断ち切ると、再び成長の流れを上向かせることに成功したようだ。
再び右上方向に緩やかに伸び始めた資産曲線の様子に安心する一方で、その末端近くに “橙色の谷間” が見られるが、これについて詳しくは後述することにしたい。
ちなみに今回、「通算利益」の成績は前回比で「8.15」ポイント増の黒字を計上。累計成績に関しても、先月初旬には惜しくも到達を逃していた「190%」の大台を遂に突破するに至っている。
一方で、「平均月利」については、前回に引き続きの減少傾向にあることが分かるが、直近の期間にはポジションの保有時間が平均よりも長くなっていたこともあり、成長のペースがやや緩やかになっていたことを思えば、納得の行くところだろう。
『Trader's Moon』の実績
回数 | 通算利益 | 最大DD | 平均月利 | 通算勝率 | PF |
---|---|---|---|---|---|
初レビュ―時 | 175.27% | 41.35% | 5.42% | 77% | 1.83 |
第1回 | 184.60% | 41.35% | 5.30% | 77% | 1.84 |
第2回 | 182.36% | 41.35% | 5.01% | 76% | 1.75 |
第3回 | 190.51% | 41.35% | 4.87% | 76% | 1.72 |
前回比 | +8.15% | ±0.00% | -0.14% | ±0.0% | -0.03 |
累計 | +15.24% | ±0.00% |
-0.55% | -1.0% | -0.12 |
回数 | 損益(pips) | 損益(金額) |
---|---|---|
初レビュ―時 | ー | ー |
第1回 | +542.3 pips | +79.49 ドル |
第2回 | -540.2 pips | -19.09 ドル |
第3回 | -544.9 pips | +67.18 ドル |
前回比 | -4.7 pips | +86.27 ドル |
累計 | -524.8 pips | +127.58 ドル |
なお、冒頭で言及した “橙色の谷間” についてだが、要するに『Trader's Moon』は今回、久方ぶりにそれなりに大きな含み損を抱えることになっていた、ということだ。
幸いにも「危険」だったというほどはなく、また「最大ドローダウン」が更新されそうになったりすることも全くなかったものの、直近の半年強の間で言えば「最大」であったことは、間違いない。
実際、「損益」の数字を確認してみると、「544.9pips」の赤字または「67.18ドル」の黒字となっており、分かりやすく典型的な「マーチンゲール系EA」らしい成長の仕方を見せている。
『Trader's Moon』の月度別成績
2020年 | |||
---|---|---|---|
成長率(%) | pips | 金額(USD) | |
1月 | ー | ー | ー |
2月 | -5.28 | -478.7 | -77.41 |
3月 | +10.16 | +1,758.4 | +204.29 |
4月 | +4.56 | +1,062.8 | +92.42 |
5月 | +5.22 | +1,041.6 | +108.54 |
6月 | +4.18 | +512.4 | +91.50 |
7月 | +4.21 | +496.4 | +95.99 |
8月 | +2.75 | +779.2 | +65.25 |
9月 | -0.12 | -872.5 | -2.89 |
10月 | ー | ー | ー |
11月 | ー | ー | ー |
12月 | ー | ー | ー |
累計 | +25.68 % | +4,299.6 pips | +577.69 USD |
※USD = 米ドル
また、先月の「月度別成績」についても、「pips」の損失額に対して「金額」における損失が圧倒的に軽微となっている様子が見て取れるが、これも同様だと言える。
そういった今回の『Trader's Moon』が辿った成長の軌跡を理解すれば、「プロフィットファクター(PF)」の成績に悪化が見られる点にも、特に不思議はないことだろう。
今回の総評
前回の総評では、「負けるべき時に上手く負けて、損害を “軽傷” で抑えてみせた」と『Trader's Moon』の “試合運び” を評したが、今回に関して言えば、「設計で意図された通りの動きを演じ、着実に白星をあげた」といったところだろう。
前回は、切り取ったタイミングの問題で「停滞の兆しあり」と見えてしまっていたようだが、実際には前回も緩やかで中長期的な成長の流れの中にあったと言えそうだ。
なお、先にも少し述べた通り、『Trader's Moon』は「マーチンゲール法」を主軸に据えた戦略を核としており、いわゆる「ハイリスク・ハイリターン系EA」に属するEAなのだが、直近においては、最大で「七つ」のポジションを同時に抱えていたことが分かる。
「0.01ロット」から開始された取引は、段階的にロットサイズを大きくしながら、六つ目のポジションでは初期ポジションの七倍にあたる「0.07ロット」にまで増加。
『Trader's Moon』におけるロットサイズの増え方には「二種類」あることが判明しているが、今回はより「リスクの低い」パターンの増え方となったようだ。
なお、今回の “結末” について言えば、五つ目までのポジションで発生した含み損を、「0.07ロット」で建てた六つ目および七つ目のポジションの含み益で “ほぼ” 帳消しにしており、最終的には「3ドル弱」の赤字で一連の取引を終えるに至っている。
ちなみに、もう一つのパターンにおいては、最大で初期ポジションの「17倍」にまでロットサイズの増加が確認されているのだが、何を基準にしてどちらのパターンが適用されるかについては、残念ながらまだ判明していない。
今回、その成長ぶりの所々に「ハイリスク・ハイリターン系EA」らしさを垣間見せつつも、潜在的なリスクの手綱を上手く取りながら着実に成長を果たしてみせた『Trader's Moon』。
ここから再び良い流れに乗ってくれることに期待しつつ、これからも経過を見守っていくことにしたい。
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