想定外の現象に見舞われた前回
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『Z Trader FX EA』の検証とレビュー
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『Z Trader FX EA』経過観察 その2 |加速する成長と高まる信頼性
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前回、かなり好調な成績の推移を見せた裏側で、プロフィットファクター(PF)の値において劇的な変動も確認された『Z Trader FX EA』。
初めてレビューを公開した時から何かと話題の尽きない “問題児” のようなEAだが、はたして今回はどのような話題を提供してくれるのだろうか。
収益性は加速するも、含み損も膨らむ
結論から言えば、『Z Trader FX EA』は今回、月並みな言い方をすれば “良い話題” と “悪い話題” の両方を提供してくれることとなったのだが、その内容はそれぞれに興味深いものとなったと言える。
後者の内容にも関わってくるため先に前者について触れると、『Z Trader FX EA』は今回の経過観察において、かなり好ましい収益性の伸びを見せる結果となった。
通算利益の数字は今回、前回比で「111.90%」もの伸びを見せており、既に十分に素晴らしかった前回の記録をもさらに大きく超過。
このEAの経過観察もまだ三回目を数えたばかりで根拠に乏しい物言いとなってしまうが、少なくとも現時点までについて言えば、「回を追うごとに収益性が高まりつつある」と言えるだろう。
事実、損益における成績の推移を見ると、「pips」については前回比でマイナスを記録しているものの、実際に獲得した「金額」に関して言えば、回を追うごとに増大している様子が見て取れる。
特に前回から今回にかけての伸び率は目覚ましく、流石に二倍までには届かなかったものの、それに迫る伸び幅を記録することとなった。
『Z Trader FX EA』の実績
回数 | 通算利益 | 最大DD | 平均月利 | 通算勝率 | PF |
---|---|---|---|---|---|
初レビュ―時 | 665.36% | 35.38% | 29.48% | 90% | 31.76 |
第1回 | 720.64% | 35.38% | 25.58% | 90% | 34.56 |
第2回 | 798.80% | 35.38% | 22.30% | 88% | 10.51 |
第3回 | 910.70% | 35.38% | 20.93% | 88% | 11.55 |
前回比 | +111.90% | ±0.0% | -1.37% | ±0.0% | +1.04 |
累計 | +245.34% | ±0.0% | -8.55% | -2.0% | +1.04(※) |
回数 | 損益(pips) | 損益(金額) |
---|---|---|
初レビュ―時 | ー | ー |
第1回 | +210.6 pips | +1,287.64 RUB |
第2回 | +628.3 pips | +1,780.87 RUB |
第3回 | +489.6 pips | +3,217.84 RUB |
前回比 | -138.7 pips | +1,436.97 RUB |
累計 | +1,328.5 pips | +6,286.35 RUB |
※RUB = ロシアルーブル
一方で、資産曲線を見てもらえれば一目瞭然だが、口座残高(証拠金)を示す赤い曲線が順調な上り調子を見せている傍らで、有効証拠金を示す黄色い曲線との乖離が以前よりも明らかに広がっていることが分かるだろう。
これこそが今回の経過観察における “悪い話題” であり、つまり「抱える含み損の大きさが、明らかに以前よりも膨らみつつある」ということだ。
今年の五月を迎える頃までは、時折含み損を膨らませつつも、基本的に二種類の曲線は常にぴったりと寄り添い続けていたが、五月を迎えると状況は大きく変化。
実際、徐々に両者間の距離は開きを見せるようになっており、ここしばらくは「かけ離れている」と言って差し支えない状態が続くまでになっている。
とは言うものの、「最大ドローダウン値を更新しかねない水準に達するまでには、まだそれなり以上の “余裕” が残されている」のも、また事実。
一秒でも早く両者の間に横たわる乖離が解消されるに越したことはないが、現在と同程度の水準が維持されているうちは、まだ「安全圏」の範疇だと言えるだろう。
『Z Trader FX EA』の月度別成績
2019年 | |||
---|---|---|---|
成長率(%) | pips | 金額(RUB) | |
1月 | +19.32 | +473,2 | +2,951.0 |
2月 | +7.59 | +294.6 | +1,383.0 |
3月 | +11.86 | +358.7 | +2,327.0 |
4月 | +3.07 | +129.4 | +673.18 |
5月 | +6.37 | +224.8 | +1,440.0 |
6月 | +2.02 | +409.7 | +485.79 |
7月 | +14.12 | +506.5 | +3,464.0 |
8月 | ― | ― | ― |
9月 | ― | ― | ― |
10月 | ― | ― | ― |
11月 | ― | ― | ― |
12月 | ― | ― | ― |
累計 | +64.35 % | +2,396.9 pips | +12,723.97 RUB |
※RUB = ロシアルーブル
ちなみに、月度および年度別成績の見ても分かるように、先月の成績は今年に入ってからについて言えば間違いなく一番であり、昨年度の成績を含めても、一二を争う成績だと言える。
今年四月からの数ヶ月間にかけては『Z Trader FX EA』に軽度な停滞の気運が見られており、このまま失速の流れが加速してしまうおそれも危惧されていたが、今回の成績を見る限りでは、それも杞憂に終わることとなりそうだ。
ちなみに以前、謎の激減を見せたプロフィットファクターの一件に関する続報となるが、流石に二回連続で原因不詳の大変動を見せることとはならず、今回の好成長に釣られる形で、数字は再び増加の道を歩み始めている。
『Z Trader FX EA』に起こったプロフィットファクターの急激な数値変動に関しては、以下の記事を参照してほしい。
参考:『Z Trader FX EA』のプロフィットファクターの数値変動について
今回の総評
今回、冒頭の方で「良い話題と悪い話題の二つがある」と言ったが、二つの事象はある意味では “裏表の関係” にあるとも言えるため、実際には「一つの話題について、それぞれ別の角度から見た時の話をした」とも言える。
要するに今回の経過観察を通じて確認された『Z Trader FX EA』の状態は、「リスクとリターンの大きさは、基本的にはトレードオフの関係にある」という大原則に沿うものであり、考え方によっては、「EAとしてはごく真っ当な状態」だと言うこともできるだろう。
「真っ当な状態」という言葉を使うと語弊があるかもしれないが、少なくとも「リターン相応のリスクを背負っている」あるいは「リスクに見合ったリターンを得られている」と言える現在の状態が、決して異常なものではないことは間違いない。
むしろ、成績が良すぎるが故にその信頼性が怪しまれていた『Z Trader FX EA』だけに、皮肉にもごく一般的なEAのような “綻び” とも言えるような隙が見え始めたことで、かえって信頼性が増した感さえある。
とは言え、そういった信頼性云々の話は抜きにして純粋に「EAの状態」について語るならば、「含み損は膨らんでいないに越したことはない」はずだ。
その観点から評価すれば、現在の『Z Trader FX EA』は、今年五月以前の状態よりも “危険” な状態にあると言えるだろう。
幸い、現時点での “危険度” は今すぐに厳戒態勢を敷かなくてはならないほどの水準に達してはいない。
ただし、「何かの拍子に突発的に含み損が大きく膨らんだ際に、最大ドローダウン値が更新されてもおかしくはない」程度の水準にはあると言えるため、言うなれば現在の状況は「注意して進め」といったところだろう。
「収益性が増した分だけ不安定さも高まり、その不安定さがかえってEAとしての信頼性を高める」という不思議な構図が出来上がっているのが、何とも面白く感じられる『Z Trader FX EA』。
無論、何事にも「限度」というものはあるので、「収益性と安定性と信頼性とのバランス」が悪い方向に崩壊しないか注意を払いながら、経過の観察を継続していきたいと思う。
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