新たに加わった観察対象の動向に注目
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前回の経過観察では、停滞期を抜けて成長を再開する様子を確認することのできた『Forex Flex EA』だったが、はたして再び歩みを止めることなく今日にまで至ることができたのだろうか。
今回は、前回新たに観察対象に加わった「カスタム設定」にも注目しながら、このEAの成績がどのように推移したかを確認していきたい。
歩みの遅さは気になるものの、堅調な成長ペースを維持
『Forex Flex EA』に数多く存在するカスタム設定の一つである「Default + TDI + TDI Slope + Dynamic」の描く資産曲線の形は、相も変わらず綺麗な右肩上がりを維持しており、再び停滞期に突入している様子も兆候も見当たらない。安定感を感じさせる成長ぶりは健在だ。
一方で、成長のペース自体については、停滞期以前と比べると「いま一つ物足りない」という印象を覚える。その “物足りなさ” は、平均月利やプロフィットファクター(PF)といった要素の数字に見える形で表れているのだが、それでもなお全体的に高水準にあることは間違いない。
また今回、「0.48%」というわずかな値ではあるものの、最大ドローダウンの値も更新されている。その更新幅の狭さから言っても、特に問題視する必要はないと思われるが、「最大ドローダウンの値が更新された」こと自体は、あまり好ましくない事実としてきちんと受け止めておくべきだと思われる。
『Default + TDI + TDI Slope + Dynamic』の実績
回数 | 通算利益 | 最大DD | 平均月利 | 通算勝率 | PF |
---|---|---|---|---|---|
初レビュー時 | 149.69% | 29.54% | 7.43% | 67% | 2.99 |
第1回 | 149.19% | 29.54% | 6.63% | 65% | 2.86 |
第2回 | 166.56% | 29.54% | 6.25% | 67% | 3.06 |
第3回 | 176.22% | 30.02% | 5.96% | 66% | 2.95 |
前回比 | +9.66% | -0.48% | -0.29% | -1.0% | -0.11 |
累計 | +26.53% | -0.48% | -1.47% | -1.0% | -0.04 |
とは言いつつも、結局のところ、通算利益については収支をしっかりと黒字に終わらせているため、「安定して成長を続けている」と評価しても良いだろう。
その安定感は、2017年7月の運用開始以来、2018年8月のひと月を除き、すべて一ヶ月間の収支をプラスで終わらせていることを見れば、一目瞭然だ。
月間獲得利益の推移
2017年 | 2018年 | |
---|---|---|
1月 | ― | +9.61% |
2月 | ― | +14.91% |
3月 | ― | +5.84% |
4月 | ― | +6.22% |
5月 | ― | +1.83% |
6月 | ― | +5.09% |
7月 | +1.69% | +7.48% |
8月 | +14.89% | -1.94% |
9月 | +13.59% | +1.78% |
10月 | +5.65% | +3.88% |
11月 | +2.44% | +2.98% |
12月 | +6.73% | ― |
累計 | +44.99% | +57.68% |
続いて、前回から新たに観察対象に加えたカスタム設定「RSi x3 StochD M30 Scalper v4 1.0 Risk」の成績が、あれからどのように推移したかを確認していきたいと思う。
直近のほぼ一ヶ月間で、通算利益の値を「9.32%」増加させた上に、平均月利の値についても「0.10%」増大させることに成功するなど、その成長具合は上々といったところだろうか。
唯一、最大ドローダウンの値を「5.39%」も更新してしまったことだけは、率直に言って残念ではあるが、このフォワードテストの運用期間が今月でまだ五ヶ月目であることや、更新前の数字が「8.58%」という非常に小さな値だったことなどを勘案すれば、このカスタム設定に対する評価を大きく下げる要因とはなり得ないだろう。
『RSi x3 StochD M30 Scalpler v4 1.0Risk』の実績
回数 | 通算利益 | 最大DD | 平均月利 | 通算勝率 | PF |
---|---|---|---|---|---|
初レビュー時 | ― | ― | ― | ― | ― |
第1回 | ― | ― | ― | ― | ― |
第2回 | 22.64% | 8.58% | 6.78% | 69% | 3.41 |
第3回 | 31.96% | 13.97% | 6.88% | 68% | 3.05 |
前回比 | +9.32% | -5.39% | +0.10% | -1.0% | -0.36 |
累計 | +9.32% | -5.39% | +0.10% | -1.0% | -0.36 |
また、プロフィットファクターの値も目に見えて下げてしまったが、上述の理由に加え、プロフィットファクターは「1.5~2.0」もあれば優秀とされていることも加味すれば、「3.05」という値は十分過ぎるほどだと言える。
「Default + TDI + TDI Slope + Dynamic」に引き続き、「RSi x3 StochD M30 Scalpler v4 1.0Risk」についても、「順調に成長を続けている」と評価して良さそうだ。
今回の総評
多くの競合製品が軒並み調子を落とす相場の中でも、『Forex Flex EA』は高い安定感のある成長を堅持することに成功している。観察を続ける身としては、実に嬉しい限りだ。
反面から見れば、「成長ペースはやや遅い」と評価することも可能だが、どんなに目覚ましい急成長を見せようとも、最終的に破綻してしまえば元も子もない。それを思えば、鈍足ながらも、着実に一歩ずつ前に進むその在り方は、好ましいものだと素直に評価したい。
また、以前にも指摘したことだが、「Default + TDI + TDI Slope + Dynamic」と「RSi x3 StochD M30 Scalpler v4 1.0Risk」はともにスイングトレード的な要素が強いカスタム設定であり、どうしても中長期的な運用が前提となる。
そのことを十分に理解して運用さえすれば、前述の「短期的な収益性があまり高くない」という特徴が、このEAに対する評価を下げる要因となることもないはずだ。
豊富に用意された各パラメーターの値を変更することで、「収益性と安定性の両方に秀でたカスタム設定」へと変貌させることも不可能ではないと思われるが、二兎を追うあまりに一兎も得られないどころか、追ってた兎に破綻に追い込まれるようなことにはならないよう、EAの設定を調整する際には十分に注意してほしい。
正直なところ、「Default + TDI + TDI Slope + Dynamic」に関しては、概ね想定通りの成長を遂げたと言える。そのため、今回の経過観察の結果についても「順当」の一言で片づけてしまえるのだが、「RSi x3 StochD M30 Scalpler v4 1.0Risk」の方については、期待通りの、あるいは想像以上の成長を見せてくれた。
とは言え、「急激な成績の悪化」という実施期間の短いフォワードテストに起こりがちな現象の存在を思うと、まだまだ油断は禁物だろう。引き続き、興味深く経過の観察を続けていくことにしたい。
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