控えめながらも着実に前に進んだ前回
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『Forex Diamond』の検証とレビュー
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前回、成長のペースを明らかに鈍化させつつも、最終的には更に利益を積み上げて終えることに成功した『Forex Diamond』。
前回の時点では、単なる小休止の時期だっただけなのか、はたまた停滞の流れに捕まったのかは判然としなかったが、はたして。
穏やかながらも明確な停滞の流れ
残念ながら今回、ここ数ヶ月間ほど『Forex Diamond』の背中を押し続けていた好調の波もとうとう終わりを迎え、前回から今回にかけては久方ぶりに苦しい展開が続く格好となったようだ。
資産曲線の推移を目で追うと、直近の半年ほど続いた成長期ではお目にかかることのなかった大きな「V字」が、末端に近い部分に出現している様子が確認できるはずだ。
一時期は「100%」の大台から滑り落ちてしまいそうになっていたものの、既に「V字」になっていることからも分かるように現在は回復傾向にあり、「通算利益」における最終的な被害は前回比で「5.27」ポイント減と比較的に軽微に終わっている。
実際、「損益」の成績によると、直近の期間における損失額は「55.1pips」または「19.25豪ドル」とのこと。前回で稼いだ利益と今回の損失とで、概ね打ち消し合うような格好となったようだ。
一方、いくら落ち込んだ成績を短期間で回復させてみせたとは言え、直近の期間において『Forex Diamond』が大きく足踏みをしていたという事実に変わりはない。
『Forex Diamond』の実績
回数 | 通算利益 | 最大DD | 平均月利 | 通算勝率 | PF |
---|---|---|---|---|---|
初レビュ―時 | 34.45% | 5.33% | 8.52% | 73% | 1.66 |
第1回 | 39.84% | 8.81% | 6.13% | 71% | 1.35 |
第2回 | 63.30% | 8.81% | 7.13% | 72% | 1,41 |
第3回 | 47.55% | 17.33% | 4.74% | 72% | 1.23 |
第4回 | 63.02% | 18.68% | 5.22% | 72% | 1.29 |
第5回 | 73.19% | 18.68% | 5.31% | 72% | 1.32 |
第6回 | 98.85% | 18.68% | 6.16% | 73% | 1.31 |
第7回 | 68.34% | 26.97% | 4.12% | 73% | 1.13 |
第8回 | 78.33% | 26.97% | 4.24% | 73% | 1.14 |
第9回 | 115.00% | 26.97% | 5.20% | 73% | 1.20 |
第10回 | 118.27% | 26.97% | 4.87% | 73% | 1.20 |
第11回 | 113.00% | 26.97% | 4.32% | 72% | 1.17 |
前回比 | -5.27% | ±0.00% | -0.55% | -1.0% | -0.03 |
累計 | +78.55% | -21.64% | -4.20% | -1.0% | -0.49 |
回数 | 損益(pips) | 損益(金額) |
---|---|---|
初レビュ―時 | ー | ー |
第1回 | +347.5 pips | +22.64 豪ドル |
第2回 | +784.9 pips | +98.49 豪ドル |
第3回 | -402.6 pips | -66.12 豪ドル |
第4回 | +550.7 pips | +72.89 豪ドル |
第5回 | +335.6 pips | +42.69 豪ドル |
第6回 | +914.3 pips | +121.78 豪ドル |
第7回 | -406.7 pips | -95.10 豪ドル |
第8回 | +340.6 pips | +41.94 豪ドル |
第9回 | +1,183.0 pips | +153.98 豪ドル |
第10回 | +183.0 pips | +13.73 豪ドル |
第11回 | -55.1 pips | -19.25 豪ドル |
前回比 | -238.1pips | -32.98 豪ドル |
累計 | +3,775.2 pips | +387.67 豪ドル |
その停滞による影響は「損益」よりも、むしろ「平均月利」や「プロフィットファクター(PF)」、「通算勝率」といった部分においてより顕著な形で表れることとなったようだ。
ただし、直近の期間中における「最大ドローダウン」を「8.06%」に抑え切っており、苦しい展開の続いた期間においても安定感のあるリスクコントロールを実現していたことが分かる。
なお、「月度別成績」を見ると、先月に四ヶ月ぶりのマイナス成長を遂げている様子が目に付くだろうが、改めて今年全体の成績を眺めなおしてみると、新たな事実が浮き上がってくることだろう。
『Forex Diamond』の月度別成績
2020年 | |||
---|---|---|---|
成長率(%) | pips | 金額(AUD) | |
1月 | +10.99 | +526.9 | +69.79 |
2月 | -3.04 | -102.5 | -21.43 |
3月 | +6.46 | +523.6 | +44.13 |
4月 | -3.12 | -24.9 | -22.73 |
5月 | +6.72 | +366.9 | +47.38 |
6月 | +16.56 | +973.8 | +124.58 |
7月 | +3.76 | +292.0 | +32.99 |
8月 | -3.07 | -143.6 | -27.97 |
9月 | ― | ― | ― |
10月 | ― | ― | ― |
11月 | ― | ― | ― |
12月 | ― | ― | ― |
累計 | +35.26 % | +2,412.3 pips | +246.74 AUD |
※AUD = オーストラリアドル
プラス成長に終わった月における「平均利益」の絶対値と、マイナス成長に終わった月における「平均損失」の絶対値とを比較すると、三つすべての項目において、明らかに後者の方が小さいことが分かる。
世の中に「調子の良い時に勝てるEA」はごまんとあると言えるが、この『Forex Diamond』が見せた “負け方の上手さ” は高く評価したいところだ。
今回の総評
前回の経過観察においては、『Forex Diamond』の成長ペースが鈍化した原因が、単なる一時的な調子の悪化にあったのか、それとも成長の流れが停滞の流れへと変化してしまったことにあったのか不明だったことについては、既に冒頭でも述べた通りだ。
その上で、今回の成績を加味すれば、「少なくとも直近のおよそ二ヶ月間については、緩やかな停滞期にあった」と結論付けて良いだろう。
なお、現時点では調子も上向き始めているように見受けられるが、一方ではまだ「直近まで続いていた停滞の流れから脱し、新たな成長の流れに乗った」と断言することはできない。少なくともまだしばらくは様子を見る必要があるように思われる。
とは言うものの、先ほども指摘したように『Forex Diamond』のダメージコントロールには優れたものがあり、「流れの悪い時期を如何に上手く切り抜けられるか」という “サバイバル能力” に関して言えば、なかなかに優秀だとも言えるだろう。
仮にまだしばらく悪い流れが続くことになったとしても、現状から著しく成績が落ち込みを見せる可能性は低そうだ。
いずれにせよ、EAである以上「永遠に調子の良い状態を維持し続ける」ことは不可能であるため、今回の停滞期に関しても、「いずれ来るべきものが来ただけ」と割り切って受け止めた方が良いだろう。
残念ながら今回、期待されていたような成長を見せることのできなかった『Forex Diamond』ではあるが、幸いにも直近の数ヶ月間で積み上げた大きな “貯金” には、まだまだ余裕が残されていると言える。
仮に一歩下がっても最終的に二歩進めば問題ない以上、どっしりと構えて引き続き経過を見守っていくことにしたい。
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