レビューからひと月、初の経過観察
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『Trader's Moon』の検証とレビュー
『Trader's Moon』評価 『Trader's Moon』 収益性:(4.0) 安定性:(4.0) 信頼性:(4.0) 総合評価 (4.0)☆☆ 注目株! ☆☆   ...
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先日のレビューでは、「ハイリスク・ハイリターン系EA」らしい成長ぶりと潜在的な収益性の高さを見せてくれた『Trader's Moon』。
これからの行く末を占う意味でも大事な “緒戦” を、はたして『Trader's Moon』はどのように飾ってみせたのだろうか。
大事な緒戦で堅実に勝利を引き寄せる
素直に喜ばしいことに今回、『Trader's Moon』は前回までの大きな流れを踏襲するような形で成長を継続し、着実にまた一段と高く利益を積み上げることに成功した。
相変わらず右肩上がりの推移を維持している資産曲線にも、直近の期間においても成長の勢いを落とすことなく、安定して成長し続けている様子が見て取れる。
なお、「通算利益」における数字の伸び具合を見ると、「マーチンゲール法」を軸に据えた「ハイリスク・ハイリターン系EA」にしては、控えめな成長ぶりのように思われるかもしれないが、その感想は「正しくもあり正しくもない」とも言えるだろう。
というのも、『Trader's Moon』は「マーチンゲール法」を基本戦略に採用しているものの、リスクを最小限に抑えるための “安全装置” とも言える複数のロジックも同時に実装しており、その分だけ「相対的にローリスク・ローリターン寄り」だとも言えるからだ。
『Trader's Moon』の実績
回数 | 通算利益 | 最大DD | 平均月利 | 通算勝率 | PF |
---|---|---|---|---|---|
初レビュ―時 | 175.27% | 41.35% | 5.42% | 77% | 1.83 |
第1回 | 184.60% | 41.35% | 5.30% | 77% | 1.84 |
前回比 | +9.33% | ±0.00% | -0.12% | ±0.0% | +0.01 |
累計 | +9.33% | ±0.00% |
-0.12% | ±0.0% | +0.01 |
回数 | 損益(pips) | 損益(金額) |
---|---|---|
初レビュ―時 | ー | ー |
第1回 | +542.3 pips | +79.49 ドル |
前回比 | ー | ー |
累計 | +542.3 pips | +79.49 ドル |
実際、直近における取引履歴を見ると、ほとんどの取引を「0.01ロット」から「0.02ロット」までの間で決済しており、期間中は安定している状態の方が長かったことを確認することができる。
また、「プロフィットファクター(PF)」の数字が僅かながらに改善している点を見ても、前回から今回にかけては『Trader's Moon』は設計思想通りの “試合運び” を見せ、良好なリスクとリターンのバランスを維持していたことが分かることだろう。
とは言うものの、あくまでも ”相対的に安全志向” というだけであって、『Trader's Moon』の本質が「ハイリスク・ハイリターン系EA」であるという事実に変わりはない。
事実、取引履歴を細かく紐解くと、直近の期間においても「七つ目」までポジションが追加され、ロットサイズは「1.0」にまで、言い換えれば初回ポジション比で「10倍」にまで増大する場面が一度だけあったことが分かる。
『Trader's Moon』の月度別成績
2020年 | |||
---|---|---|---|
成長率(%) | pips | 金額(USD) | |
1月 | ー | ー | ー |
2月 | -5.28 | -478.7 | -77.41 |
3月 | +10.16 | +1,758.4 | +204.29 |
4月 | +4.56 | +1,062.8 | +92.42 |
5月 | +5.22 | +1,041.6 | +108.54 |
6月 | +4.18 | +512.4 | +91.50 |
7月 | +4.21 | +496.4 | +95.99 |
8月 | ー | ー | ー |
9月 | ー | ー | ー |
10月 | ー | ー | ー |
11月 | ー | ー | ー |
12月 | ー | ー | ー |
累計 | +23.05 % | +4,392.9 pips | +515.33 USD |
※USD = 米ドル
ただし、結果的には「最大ドローダウン」を更新しそうになるような展開に陥ることもなく、特に危なげのない調子でエントリーから決済にまで至っており、「危機」と称するほどの事態とはならなかったようだ。
なお、「月度別成績」の数字を見れば、本格的な「コロナ期」に突入してからの安定した成長ぶりについても確認できることだろう。
今回の総評
直近の期間における成績を見ていると、『Trader's Moon』は、収益性ばかりを優先した純然たる「ハイリスク・ハイリターン系EA」ではなく、設計思想自体はむしろ「ローリスク・ローリターン系EA」に近いのではないかと思えてきてしまう。
無論、ロジックに「マーチンゲール法」の要素を取り入れている時点で「ローリスク」も何もあったものではないのだが、姉妹品の『Trader's Sun』が徹底した「安全設計」だという事実を思うと、『Trader's Moon』も大なり小なりその流れを汲んでいるように思われる。
実際、これまでに何度か “要注意” あるいは “警戒水域” にまでドローダウンが達しつつも、一方でそれ以外の期間においては基本的に “安全圏” に留まり続けている様子が、資産曲線やドローダウンの推移にも見て取れることだろう。
ただし、リスクを低く抑えることに成功している分だけ、実際のリターンも期待されるリターンも小さくなってしまっていることも、また事実。
しかしながら、『Trader's Moon』は「リスクとリターンはトレードオフの関係にある」という投資の大原則に見事に則っているとも言えるため、その観点から見れば、非常に現実的な設計のEAだと言えるだろう。
もし更なる収益性を望む場合にも、背負うリスクを大きくすれば、きっとそれ相応のリターンの増大にも期待できるはずだ。
今回の『Trader's Moon』については、全体的に堅実さの感じられる成長ぶりだった訳だが、まだまだ続くだろう運用における緒戦の結果としては、まずまず及第点を与えられるものだったと言えるだろう。
一歩目から躓くことなく良い形でスタートを切れたことを祝いつつ、引き続き経過の観察を続けていくことにしたい。
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