『Z Trader FX EA』経過観察 その１ ｜鈍りを見せ始める成長の足

レビュー公開から、約一ヶ月

先日公開したレビューにおいては、そのあまりの成績の良さに、「SCAM（詐欺商材）」の疑いを掛けざるを得ない格好となった『Z Trader FX EA』だったが、早くもあれから約一ヶ月が過ぎ去った。

はたして “疑惑の実力者” は、この短期間のうちにどのような成長を果たすこととなったのだろうか。厳正な目で確認していきたいと思う。

明

結論から言えば、『Z Trader FX EA』は今回、何とも評価の難しい成長を遂げる結果となった。

まず、通算勝率については、相変わらずの高い数字を堅持しているほか、最大ドローダウン値を更新させることなく直近の期間を乗り切ることに成功している。

また、通算利益は、流石の目覚ましさを以て数字を増加させている上に、プロフィットファクター（PF）の値は、まるで天井を知らないかのように上へ上へと伸び続けており、留まるところを知らない様子だ。

一方で、平均月利と月間獲得利益の項目に目を移すと、成長の勢いが著しく減退したかのような印象を覚えるかと思われるが、もう少し詳細な数字の推移を分析すると、実際には、数字から受ける印象ほどには成長力が衰えてはいないことが分かる。

ただし、飛ぶ鳥を落とす勢いを見せていた一時期までと比較すれば、その勢いが徐々に弱まってきていることは、残念ながら否定できない。

事実、『Z Trader FX EA』は、直近の約一ヶ月間において「+210.6pips」の利益を獲得することに成功している訳だが、数ヶ月ほど前までは、月間「+300～500pips」前後の利益を安定して得ていた実績を見ると、直近の成績に物足りなさを覚えてしまうのも無理からぬことだろう。

さらに付け加えるならば、実際に先月の獲得利益（pips）は「+200pips」にも届いておらず、“歴代最低” となる数字を記録している。

とは言え、確かにその歩みが遅くなりつつあるという事実はあれど、通算利益とプロフィットファクターの顕著な増大も証明しているように、『Z Trader FX EA』が着実に成長を続けていることも、また同じく事実だと言えるだろう。

「絶対的」に見るか「相対的」に見るかで、評価が大きく変わってしまう “絶妙” な成長具合に、いち観察者として思わず唸らされてしまう。

今回の総評

前回、『Z Trader FX EA』には、「カーブフィッティング（過度の最適化）」が施されているおそれがあることを指摘した訳だが、今回の経過観察を経て、その疑惑もやや真実味を帯びてきた感は否めないだろう。

ただし、もちろん現時点では、単純に「EAが停滞期に突入し始めている」という風に “好意的” に解釈することも可能であり、最終的な結論を下すには、まだまだ時期尚早だと言わざるを得ない。

2019年5月30時点での『Z Trader FX EA』の成績

結論がどちらに至ろうとも、決して喜ばしい話ではないことは確かだが、どうせならば後者であってほしいと祈るばかりだ。

いずれにせよ、確信を以て判断を下すためには、少なくともまだしばらくは経過の観察を続ける必要があるだろう。

一方で、上述したような “疑惑” の存在を一切無視して、純然たる数字の推移だけを公正に評価するならば、今回『Z Trader FX EA』が見せた成長ぶりには、素直に高い評価を与えたい。

到底、べた褒めするほどのものではないが、ほぼすべての評価項目において数字を悪化させることなく、堅実に数字を伸ばした手腕は評価に値すると言えるだろう。

このまま緩やかに “化けの皮” が剥がされることになってしまうのか、はたまた今見せているのが “正体” であり、真に優秀なEAであったことが証明されることとなるのか。

過度な期待はせずに、ある程度の長い目を以て慎重に見極めを図りたいと思う。

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