着実な成長を見せた前回の経過観察
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『Z Trader FX EA』の検証とレビュー
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『Z Trader FX EA』経過観察 その1 |鈍りを見せ始める成長の足
レビュー公開から、約一ヶ月 先日公開したレビューにおいては、そのあまりの成績の良さに、「SCAM(詐欺商材)」の疑いを掛けざるを得ない格好となった『Z Trader ...
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前回の経過観察では、堅調な成績の推移を見せたものの、付きまとう “SCAM疑惑” を払拭するには至らなかった『Z Trader FX EA』。
一方、今回の経過観察においては、このEAに対する評価と前提を大きく揺るがす “とある変化” が確認されることとなった。
短期間の休息で成長の勢いを取り戻す
上述の “とある変化” について語る前に、まずはいつも通り各種成績の推移について確認していきたい。
通算利益の伸び率は、やや調子を落としていた前回の記録を確実に上回っており、その成長の健やかさ加減は、前回から今回までの損益の数字にも如実に表れている。
また、『Z Trader FX EA』は今回、前回比でほぼ三倍に相当する「628.3pips」もの利益を獲得することに成功。金額に換算したとしても、同様に前回の記録を大きく上回っており、「利益」という観点から見れば、文句なしの成功を収めることとなった。
なお、経過観察の実施間隔(集計期間)は、前回と今回とでほぼ同じであるため、今回の成績については、純粋に「EAの調子が良かった結果」だと言えるだろう。
『Z Trader FX EA』の実績
回数 | 通算利益 | 最大DD | 平均月利 | 通算勝率 | PF |
---|---|---|---|---|---|
初レビュ―時 | 665.36% | 35.38% | 29.48% | 90% | 31.76 |
第1回 | 720.64% | 35.38% | 25.58% | 90% | 34.56 |
第2回 | 798,80% | 35.38% | 22.30% | 88% | 10.51 |
前回比 | +78.16% | ±0.0% | -3.28% | -2.0% | -24.05 |
累計 | +133.44% | ±0.0% | -7.18% | -2.0% | ±0.0(※) |
回数 | 損益(pips) | 損益(金額) |
---|---|---|
初レビュ―時 | ー | ー |
第1回 | +210.6 pips | +1,287.64 RUB |
第2回 | +628.3 pips | +1,780.87 RUB |
前回比 | +417.7 pips | +493.23 RUB |
累計 | +838.9 pips | +3,068.51 RUB |
※RUB = ロシアルーブル
一方で、平均月利の数字と通算勝率に関しては成績の悪化が見られるが、どちらについてもあまり気にする必要はないと思われる。
というのも、「前月末残高を基準に成績の月間成長率が計算されるため、同程度の利益を得た場合でも、運用期間が長くなり口座残高が増えるにつれて、月間成長率の数字は低く算出されやすい」ことは、これまでにも何度か言及した通りだからだ。
ただし、もちろんEAの実力を測る指標の一つとして、平均月利という “物差し” がまったく無用であるという訳ではない。
あくまでも、通算利益や月間獲得利益などの “物差し” とも併用することで、より正しくEAの実力を判断できるというだけの話だ。
また、通算勝率の悪化について言えば、通算での取引回数がまだかなり少ないことに着目したい。
要するに、現在の『Z Trader FX EA』は、多少の連敗や連勝が起こるだけで、数パーセント程度の変動は容易に起こり得る状態にあると言える訳で、今回の変動幅についても、あまり気にする意味はないだろう。
月間獲得利益の推移(成長率)
(%) | 2018年 | 2019年 |
---|---|---|
1月 | ― | +19.32% |
2月 | ― | +7.59% |
3月 | ― | +11.86% |
4月 | ― | +3.07% |
5月 | ― | +6.37% |
6月 | ― | +2.02% |
7月 | ― | ― |
8月 | +59.14% | ― |
9月 | +63,84% | ― |
10月 | +21.15% | ― |
11月 | +29.89% | ― |
12月 | +29.5% | ― |
累計 | +203.52% | +50.23% |
なお、月間獲得利益の推移を「pips」を軸に据えて眺めてみると、今年四月に落とした調子を、直近の二ヶ月間で劇的に回復させている様子が見て取れる。
「成長率」という “物差し” で見た場合とは随分と異なる印象を覚えるかと思われるが、EAの実力や素性を評価する際には、可能な限り様々な角度から多面的に見ることが重要となることについては、先に述べた通りだ。
月間獲得利益の推移(pips)
(pips) | 2018年 | 2019年 |
---|---|---|
1月 | ― | +473.3 pips |
2月 | ― | +294.6 pips |
3月 | ― | +358.7 pips |
4月 | ― | +129.4 pips |
5月 | ― | +224.8 pips |
6月 | ― | +409.7 pips |
7月 | ― | ― |
8月 | +144.4 pips | ― |
9月 | +349.5,pips | ― |
10月 | +222.2 pips | ― |
11月 | +499.4 pips | ― |
12月 | +548.4 pips | ― |
累計 | +1,763.9 pips | +1,890.5 pips |
さて、いよいよここからは、今回の経過観察における “本題” とも言える「プロフィットファクターの暴落」について話を移すことにしたい。
状況を簡単に説明すると、『Z Trader FX EA』は今回、プロフィットファクター(PF)の値を短期間で「24.05」も悪化させるという未曽有の事態を引き起こしている。
「元々の値が異常に高すぎた」が故の事態でもあると言えるのだが、上述の通り今回の成績は全体的に優秀であり、少なくともプロフィットファクターの値を劇的に悪化させるような内容ではない。
取引履歴を見てもそのことは明白であり、そこで今回新たに浮上したのが、「暴落前の値の方が正確ではなかった」という可能性だ。
以前にもMyfxbookは、一時的なシステムの異常によって「最大ドローダウン値を実際よりも大きく表示してしまう」という不具合を発生させるという “負の実績” を持っており、今回のケースが、新たな実績の一つである可能性は大いに考えられることだろう。
参考記事
残念ながら現時点では、この憶測が事実を捉えていると証明する術や証拠は見当たらないが、ひとまず今後については、「そうである」という仮定に基づいて経過観察を行っていくことにしたいと思う。
その手始めとして、プロフィットファクターの累計集計値を一旦「±0.0」にまでリセットし、今回の計測値である「10.51」を以降の経過観察における基準と設定し直すこととした。
今回の総評
『Z Trader FX EA』は今回、全体的に内容の目覚ましい成長の実現をもって、「収益性」と「安定性」の両面において潜在的に高い実力を備えたEAであることを、世間に強く印象付けることに成功したと言える。
しかしながら、『Z Trader FX EA』の好成長ぶりを素直に喜ばしく思う一方で、やはり今回の経過観察においては、「プロフィットファクターの暴落」という現象にこそ最大の焦点を当てるべきだろう。
暴落の原因に関する考察は先に述べた通りだが、プロフィットファクターの値が劇的に悪化したという事実は、「明らかに異常を示していた数値が、正常の範疇に大きく近づいた」とも言い換えることが可能だ。
さらに見方を変えれば、今回の暴落によって、『Z Trader FX EA』の信頼性は高騰したとさえ言えるだろう。
そもそも『Z Trader FX EA』に「SCAM(詐欺商材)」の嫌疑が掛けられていた一因には、「プロフィットファクターを含むあらゆる成績が優秀すぎた」ということがある。
大きく減少したとは言え、まだまだ一般的とは言い難い数値を示しているものの、仮に暴落の原因が上述したようにMyfxbookのシステム的な不具合にあり、既にその不具合が解消されているとしたならば、現在の数値は “本当の実力” を示すものだと言えるだろう。
また、資産曲線の推移についても、四月の下旬頃より一定の含み損を抱えた状態が続いており、ほとんど含み損を抱えてこなかったそれ以前と比べると、やや不安定さを増しているように見受けられる。
しかしながら、通常は疎まれるはずの “負の変化” も、「不自然なほどに成績が良すぎる」ことが不安視されていたEAにおいては、このEAが “本物” であることを逆説的に証明する要素となっていると言えるだろう。
「成績の悪化」が「信頼性の回復」に繋がるとは、何とも皮肉な限りだと言わざるを得ないが、いずれにせよ今回、前回からの経過観察の結果を踏まえ、『Z Trader FX EA』に対する評価を「SCAM注意報」から「評価観察中」へと引き上げることとした。
まだまだ気を緩めるには早いだろうが、警戒レベルを一段階だけ引き下げつつ、今後の経過観察に臨む所存だ。
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