FXコラム

EAポートフォリオとは? 組み方と考え方について【前編】

「EAポートフォリオ」とは?

元来「ポートフォリオ(portfolio)」とは、「書類入れ」や「折り鞄」という意味の言葉だが、そこから転じて「ある特定の目的や意図の下に、複数の要素で構成されたひと塊のもの」というニュアンスを持つ言葉として、幾つかの分野や業界において広く用いられている。

投資の世界においても、「株式や債券、不動産に預貯金など、投資家の保有する金融商品の内容とその組み合わせ」という意味で定着しているため、投資を少し勉強すれば、何度もその単語を耳にすることだろう。

 

一方でFXの世界、特にEA(Expert Advisor)の分野においては、「複数の異なるEA同士を組み合わせたもの」などという意味で用いられており、自分だけのポートフォリオを組み上げて運用しているトレーダーは、決して少なくはない。

では、何故そうも多くの人々が、わざわざ時間と手間を掛けて組み上げてまで、EAポートフォリオを運用しているのだろうか。

 

 

 

EAポートフォリオを組むべき理由

その答えは、これ以上ないほどに単純明快で、ただ「そうするだけの価値があるから」という一言に尽きる

むしろ、「EAによる自動売買に本格的に取り組むならば、EAポートフォリオの作成は必須」とまで言えば、流石にそれは過言だろうが、利益追求とリスク管理の両面から見ても非常に有用な運用手法だということに、疑いを挟む余地はないだろう。

 

そもそも、EAによるポートフォリオ運用という手法は、「得手不得手や特徴の異なるEA同士を組み合わせて、可能な限り相場の動きに左右されず、安定して勝ち続けられる取引システムを作り上げよう」という発想に基づいている。

要するに、「たとえEA①が負けようとも、EA②とEA③が勝てば、システム全体の損益としては勝ち」とか、「EA②とEA③の負け分を、EA①の勝ち分で補填できれば引き分け」とかいうような理想論的な理屈を、現実に成り立たせようという試みの産物が、EAポートフォリオだということだ。

 

 

EAポートフォリオのメリットとデメリット

ここまでで、EAポートフォリオの概要については理解してもらえたものと思うが、以下に、EAによるポートフォリオ運用のメリットとデメリットを簡単にまとめたいと思う。

 

メリット

  • リスク分散を図りつつ、最大限の利益を追求できる
  • 上手く組めれば、相場に左右されにくい安定した運用が可能になる

デメリット

  • 互いに相性の良いEAを探し、検証するのに手間が掛かる
  • 取引通貨やロット数など、各種設定の「最適解」を見つけるのが難しい
  • 適切に組まないと、相場の急な乱高下などで一気に口座が破綻しかねない

 

EAによるポートフォリオ運用を行う最大のメリットは、やはり「リスク分散」にあると言える。次点で「利益の最大化」だろうか。

 

複数の通貨ペアを取引することで、システム全体の成績が特定ペアの動向に依存しないように図ったり、トレンド相場とレンジ相場、順張りと逆張りなど、異なる取引ロジックを組み合わせることで、突発的な相場の変動にも強いシステムを作り上げたりすることも可能となる。

上手くポートフォリオを組み上げることができれば、長く安定して利益を生み出し続けるシステムを手に入れることもできるだろう。

 

ただし、その反面には、大きなリスクも息を潜めている

 

例えば、もし適切にリスクを分散させられていなかった場合、どれか一つのEAが勝つ時は他のEA群も勝ち、負ける時にはその逆となりやすいため、たった一つの負けが、致命的な大きさの損失に繋がりかねない

ただし、先ほども軽く触れたように、EAポートフォリオの組み方と考え方は非常に多様であるため、あえてリスクを分散させずに「ハイリスク・ハイリターン」に組み上げるというのも、人によっては十分に一つの選択肢となり得るはずだ。

 

また、そもそもEA同士の相性を見極め、システム全体として最も成績が良くなるように各種EAの設定を “正しく” 調整するという作業自体が、決して簡単ではないことも、EAポートフォリオの作成におけるネックの一つとなっている。

 

 

【後編】へ続く

さて、今回は文章量の都合上、前編と後編に分けさせてもらうことにしたが、近日中に公開予定の後編では、ポートフォリオの組み方について解説していきたいと思う。

乞うご期待。

 

追記:後編を更新。下のリンク記事からどうぞ。

EAポートフォリオとは? 組み方と考え方について【後編】

前回の続き 前編では、「EAポートフォリオ」に関する基礎知識を中心に解説したが、この後編では、実際にポートフォリオを組むにあたって大事な考え方や観点について、紹介していく。 では早 ...

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