危機的な状況に直面していた前回
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前回、これまで抜群の安定感を誇り続けてきた「Default + TDI + TDI Slope + Dynamic」の含み損が危険な水域にまで達した『Forex Flex EA』。
また、新たに紹介したカスタム設定「EMA Far Apart Retrace H4」としては、今回が初の経過観察となるが、はたしてどのような成長を遂げたのだろうか。
世界的な「うねり」に飲み込まれ轟沈
非常に残念な知らせとなってしまうが、メイン観察対象として一年以上にもわたり経過を報告し続けてきた「Default + TDI + TDI Slope + Dynamic」は今回、含み損を致命的な大きさにまで膨れ上がらせ、ついに口座を破綻させるに至ってしまった。
「通算利益」の項目は「-99.90%」を示しており、その他の項目も軒並み手酷く悪化。正の領域から負の領域に向かってほぼ垂直に “落下” する資産曲線の様子を見れば、このフォワードテストが終焉を迎えたことは一目瞭然だろう。
前回の経過観察の時点では、含み損が「4,500ドル」前後にまで膨れ上がった状態がしばらく続いていたが、その直後には「1,000ドル」前後にまで縮小し、そのまま含み損が綺麗さっぱり解消されるかとも思われたが、現実はそう甘くなかった。
英国総選挙の開票日が近づくにつれて「英ポンド(EUR)」の相場はより不安定さを増し、開票日の直前には「10,000ドル」を超える額にまで膨張。
そして、開票結果の発表直後に発生した同通貨の大規模な値動きは、「Default + TDI + TDI Slope + Dynamic」にとって不利な方向に進み、最終的に「20,000ドル」近くまで膨れ上がった含み損を抱えきれず、そのまま敢えなく轟沈する結果となった。
『Default + TDI + TDI Slope + Dynamic』の実績
回数 | 通算利益 | 最大DD | 平均月利 | 通算勝率 | PF |
---|---|---|---|---|---|
初レビュー時 | 149.69% | 29.54% | 7.43% | 67% | 2.99 |
第1回 | 149.19% | 29.54% | 6.63% | 65% | 2.86 |
第2回 | 166.56% | 29.54% | 6.25% | 67% | 3.06 |
第3回 | 176.22% | 30.02% | 5.96% | 66% | 2.95 |
第4回 | 169.99% | 30.02% | 5.47% | 65% | 2.39 |
第5回 | 182.18% | 24.86% | 5.15% | 64% | 2.44 |
第6回 | 198.03% | 24.86% | 5.16% | 63% | 2.47 |
第7回 | 214.38% | 24.86% | 5.20% | 63% | 2.52 |
第8回 | 231.08% | 24.86% | 5.04% | 63% | 2.61 |
第9回 |
288.98% |
24.86% |
5.22% |
65% |
2.94 |
第10回 | 299.90% | 24.86% | 5.27% | 65% | 3.02 |
第11回 | 299.90% | 28.32% | 5.27% | 65% | 3.02 |
第12回 | -99.90% | 99.97% | -21.14% | 63% | 0.83 |
前回比 | -399.80% | -71.65% | -26.41% | -2.0% | -2.19 |
累計 | -249.59% | -70.43% | -28.57% | -4.0% | -2.16 |
回数 | 損益(pips) | 損益(金額) |
---|---|---|
初レビュ―時 | ー | ー |
第6回 | ー | ー |
第7回 | +627.0 pips | +817.58 ドル |
第8回 | +220.4 pips | +834.96 ドル |
第9回 |
+656.7 pips |
+2,895.06 ドル |
第10回 | +297.1 pips | +545,86 ドル |
第11回 | ー | ー |
第12回 | -1,105.8 pips | -19,771.31 ドル |
前回比 | ー | ー |
累計 | +695.4 pips | -14,677.85 ドル |
中長期間にわたりポジションを保有し続け、スイングトレードあるいはポジショントレードを主軸に据えた戦略により、非常に高い安定感をもって丸二年以上もの間、着実に成長を続けてきた「Default + TDI + TDI Slope + Dynamic」。
今回に限っては、その「時間をかけて含み損益の増減を図り、利益の出るタイミングで決済する」という慎重な戦略が完全に裏目に出たと言えるだろう。
仮に「損切りと利確のラインを浅く設定し、短いスパンで取引を重ねていく」スタイルの戦略だったならば、今回のように致命傷までを負わずに済んだ可能性は高く、あるいはむしろ激しく変動する相場を上手く捉え、利益を出すことさえもできていたかもしれない。
『Default + TDI + TDI Slope + Dynamic』の月度別成績
2019年 | |||
---|---|---|---|
成長率(%) | pips | 金額(USD) | |
1月 | -3.62 | -332.6 | -507.41 |
2月 | +4.51 | +200.5 | +609.47 |
3月 | +2.84 | +71.8 | +401.3 |
4月 | +2.70 | +8.0 | +391.58 |
5月 | +1.47 | +79.3 | +219.65 |
6月 | +3.95 | +547.7 | +597.93 |
7月 | +5.31 | +220.4 | +834.96 |
8月 | +9.64 | +458.8 | +1,596.0 |
9月 | +7.16 | +197.9 | +1,299.0 |
10月 | +2.81 | +297.1 | +545.86 |
11月 | ― | ― | ― |
12月 | -99.76 | -1,105.8 | -19,771.31 |
累計 | -62.99 % | +643.1 pips | -13,782.97 USD |
※USD = アメリカドル
とは言え、すべては結果論に過ぎず、「たられば」を幾ら述べても意味はない。
また、この取引スタイルだったからこそ、これまで長期間にわたり大きな利益を積み上げ続けることができていたことも、確固たる事実だと言える。
今回の結果は残念の一言に尽きるが、「今回の結果」だけをもって「過去の実績」までもが失われることはなく、「Default + TDI + TDI Slope + Dynamic」が優秀な戦略であるという評価までもが否定されることはないはずだろう。
一方、前回の経過観察において、新たに「ハイリスク・ハイリターンなカスタム設定」として紹介した「EMA Far Apart Retrace H4」だが、こちらは複数の「英ポンド」絡みの通貨ペアを取引していたにもかかわらず、先日の危機を切り抜けることに成功。
「通算利益」は僅か一ヶ月ほどの間に「200%」以上の伸びを見せ、「金額」ベースの「損益」については、前回とほぼ同等の「17,000ドル」以上もの利益を上げるに至っている。
『EMA Far Apart Retrace H4』の実績
回数 | 通算利益 | 最大DD | 平均月利 | 通算勝率 | PF |
---|---|---|---|---|---|
初レビュー時 | ー | ー | ー | ー | ー |
第11回 | 964.26% | 52.88% | 27.03% | 64% | 2.75 |
第12回 | 1,178.23% | 52.88% | 26.29% | 63% | 2.68 |
前回比 | +213.97% | ±0.00% | -0.74% | -1.0% | -0.07 |
累計 | +213.97% | ±0.00% | -0.74% | -1.0% | -0.07 |
回数 | 損益(pips) | 損益(金額) |
---|---|---|
初レビュ―時 | ー | ー |
第11回 | +637.3 pips | +17,270.27 ドル |
第12回 | +413.2 pips | +17,534.56 ドル |
前回比 | -224.1 pips | +264.29 ドル |
累計 | +1,053.2 pips | +34,804.83 ドル |
ただし、前回も補足したように、この爆発的な利益は、「非常に潤沢な証拠金を担保にしたかなりのハイロット運用」を前提にしたハイリスク・ハイリターンな戦略の結果だという点には、くれぐれも注意してほしい。
実際、資産曲線には直近の期間に大きく含み損が膨らんでいる様子を確認できるが、その期間は、ちょうど「Default + TDI + TDI Slope + Dynamic」が “破裂” するまで追い込まれた英国総選挙の開票日の前後に当たる。
同時期の取引利益を見る限りでは、「EMA Far Apart Retrace H4」は「1.0~6.0」ロット前後のポジションを幾つも抱えており、非常に大きなリスクを背負っていた模様。
『EMA Far Apart Retrace H4』の月度別成績
2019年 | |||
---|---|---|---|
成長率(%) | pips | 金額(USD) | |
1月 | +2.03 | +44.7 | +59.33 |
2月 | +54.18 | +832.7 | +1,618.00 |
3月 | +100.84 | +919.9 | +4,646.00 |
4月 | +13.78 | +294.3 | +1,275.00 |
5月 | +13.59 | +396.8 | +1,431.00 |
6月 | +25.75 | +360.1 | +3,079.00 |
7月 | +9.95 | +516.6 | +2,457.00 |
8月 | +18.28 | +297.6 | +7,257.00 |
9月 | +12.57 | +514.6 | +5.856.00 |
10月 | +21.77 | +917.1 | +13,282.00 |
11月 | +13.00 | +171.0 | +8,542.00 |
12月 | ― | ― | ― |
累計 | +285.74 % | +5,265.4 pips | +49,502.33 USD |
※USD = アメリカドル
にもかかわらず、「Default + TDI + TDI Slope + Dynamic」のように口座を破綻に至らせることなく、あまつさえ瞬間的に大きな利益を獲得してのけた理由は、ひとえに「取引スタイルの差」にあると思われる。
今回の結果は、比較的に軽微なうちに損失を処理し、相場の状況によっては「数秒から数分」という非常に短い時間で取引を決済することもできる「EMA Far Apart Retrace H4」のスタイルが、上手く “状況にはまった” 結果だと言えるだろう。
そして今回、新たな観察対象のカスタム設定として「RSix3 CandleSize 75 H4 v4.76+」を紹介することにしたい。
資産曲線の軌跡や下記の各種成績を見れば、高い安定感と堅実な収益性を両立させた、かなり “手堅い” 戦略だということが分かることだろう。
取引スタイルとしては、「スキャルピング寄りのデイトレード系EA」に分類されるため、「ポジショントレード寄りのスイングトレード系EA」である「Default + TDI + TDI Slope + Dynamic」とは、毛色が少々異なると言える。
『RSix3 CandleSize 75 H4 v4.76+』の実績
回数 | 通算利益 | 最大DD | 平均月利 | 通算勝率 | PF |
---|---|---|---|---|---|
初レビュー時 | ー | ー | ー | ー | ー |
第12回 | 133.23% | 19.56% | 5.37% | 56% | 2.36 |
前回比 | ー | ー | ー | ー | ー |
累計 | ー | ー | ー | ー | ー |
回数 | 損益(pips) | 損益(金額) |
---|---|---|
初レビュ―時 | ー | ー |
第11回 | +4.9 pips | +406.12 セント |
前回比 | ー | ー |
累計 | +4.9 pips | +406.12 セント |
しかしながら、その「安定感」や「手堅さ」といった戦略に通底する特徴は似通っており、「RSix3 CandleSize 75 H4 v4.76+」は、「Default + TDI + TDI Slope + Dynamic」の “精神的な後継” だと言えるかもしれない。
なお、この「RSix3 CandleSize 75 H4 v4.76+」は、普段から「英ポンド」絡みの通貨ペアを比較的に積極的に取引しているものの、危険を敏感に察知したのか、英国総選挙の直前および直後には、同通貨絡みの通貨ペアは一切取引せず。
そうして危難の時期を危なげなく乗り越えると、更に数日後には勝機を見出したのか、複数の「英ポンド」絡みの通貨ペアを同時に取引すると、最終的には相対的に大きな利益を得るに至っている。
『RSix3 CandleSize 75 H4 v4.76+』の月度別成績
2019年 | |||
---|---|---|---|
成長率(%) | pips | 金額(USC) | |
1月 | +3.81 | +197.7 | +127.06 |
2月 | +12.04 | +213.4 | +417.00 |
3月 | +5.60 | -57.2 | +217.47 |
4月 | +5.49 | +198.9 | +224.95 |
5月 | +1.38 | +47.1 | +59.82 |
6月 | -0.01 | -0.7 | -0.58 |
7月 | ― | ― | ― |
8月 | +3.27 | -69.2 | +143.27 |
9月 | +10.29 | -37.0 | +465.77 |
10月 | +27.16 | +180.2 | +1,356.00 |
11月 | +3.84 | +156.7 | +243.87 |
12月 | ― | ― | ― |
累計 | +72.87 % | +829.9 pips | +3,254.63 USC |
※USC = アメリカセント
また、既に公式フォワードテストの運用期間も一年以上となっているところを見るに、この安定感のある好成長ぶりも、運用開始の直後にしばしば見られる “スタートダッシュ” 的なごく短期的な現象ではないようだ。
「RSix3 CandleSize 75 H4 v4.76+」は、今後がとても楽しみなカスタム設定の一つだと言えるだろう。
旧サブ観察対象:「Flex Ea SRV1/SRV2/SRV3」
ちなみに、今回「Default + TDI + TDI Slope + Dynamic」のフォワードテストが終了したことを受けて、既にフォワードテストの終了していた「Flex Ea SRV1/SRV2/SRV3」を、「サブ観察対象」から「旧サブ観察対象」へと変更することにしたい。
同時に「Default + TDI + TDI Slope + Dynamic」を「旧メイン観察対象」に改め、両設定に対する経過観察を終了。
上掲のように何時でも簡単に内容を確認できる形で、記事の末尾の方に過去の成績を掲載することにしたので、悪しからず。
なお、次回以降、「RSix3 CandleSize 75 H4 v4.76+」を新たな「メイン観察対象」として、「EMA Far Apart Retrace H4」を新たな「サブ観察対象」として取り扱っていくことにしたい。
今回の総評
まだまだ安寧の時期が長く続くかと思われていた「Default + TDI + TDI Slope + Dynamic」が、世界的な市場の “うねり” に飲み込まれる形で終わりを迎えることとなってしまった今回。
「盛者必衰」あるいは「栄枯盛衰」は世の常だと言うことを、今回の一件を通じて改めて学んだ思いだ。
しかしながら、主役が退場するとまた別の主役が登場することも世の常であり、既に「RSix3 CandleSize 75 H4 v4.76+」や「EMA Far Apart Retrace H4」といった有望な “後進” が育ちつつあることは、まさに不幸中の幸いだ。
この辺りの “層の厚さ” は、EAとしての「カスタマイズ性」と「柔軟性」において他の追随を許さない『Forex Flex EA』ならではの強みだと言えるだろう。
とは言え、先ほども述べた通り、確かに今回これまで観察を続けてきた「Default + TDI + TDI Slope + Dynamic」のフォワードテストは終焉を迎えたが、「Default + TDI + TDI Slope + Dynamic」という設定自体が、無価値なものへと変じた訳では決してない。
その点については、ここで改めて明言しておきたい。
一つの時代が終わりを迎え、同時に新たな時代の始まりを迎えた『Forex Flex EA』。
新たに登場したばかりの大きな成長の可能性を秘めた “種” が、これからどのように芽吹いていくのか、今後も引き続き見守り続けていくことにしたい。
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