破竹の急成長を遂げた前回
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前回の経過観察では、「ハイリスク・ハイリターン系EA」らしい怒涛の急成長ぶりを見せつけた『Forex Kore EA』だったが、一方でMyfxbook上で実施されている公式フォワードテストについては、完全に動きが止まっている状況が続いている。
しかしながら今回、FXBlue上に公開されていた公式フォワードテストの方において、凄まじい激震が走ることとなったため、その被害状況の報告に努めたいと思う。
ついに訪れてしまった「破滅」の時
幾度かの「破綻」の危機を辛うじて乗り越えながらも、破竹の快進撃を続けていた『Forex Kore EA』だったが、ついに今回、大一番の勝負において大敗を喫した結果、積み上げてきた利益も初期証拠金もすべて失い、口座を破綻させるに至ってしまった。
わずか一日の間に「55万ドル」もの大金を溶かしてしまったその “散り様” は、実に「ハイリスク・ハイリターン系EA」らしい最期だったと言えるだろう。
なお、FXBlue上に公開されている取引履歴を確認した限りでは、今回の破綻における “主犯格” は、「ユーロ/英ポンド(EURGBP)」だったようだ。
「ユーロ/英ポンド」は、相対的に値動きの激しい通貨同士の組み合わせで構成されているだけに、「ハイリスク・ハイリターン系EA」の特性と良い方向に噛み合わせられれば、相乗効果によって、爆発的なリターンを狙いやすい通貨ペアだと言える。
一方で、その相乗効果が裏目に出てしまい、すべてが悪い方向に噛み合ってしまえば、悲劇的なリスクを背負わされる羽目になってしまいがちな訳だが、今回は、その “負の側面” が遺憾なく発揮される格好となったと言えるだろう。
FXBlue上で確認できる資産曲線の形は、歴史的な大敗を喫した日を境にして、悪ふざけのような角度と長さで暴落の動きを見せており、その勢いの凄まじさを雄弁に物語っている。
『Forex Kore EA』の実績
回数 | 通算利益 | 最大DD | 平均月利 | 通算勝率 | PF |
---|---|---|---|---|---|
初レビュ―時 | 176.91% | 18.93% | 58.09% | 73% | 2.21 |
第1回 | 302.35% | 62.38% | 55.77% | 73% | 2.29 |
第2回 | 1485.93% | 70.87% | 43.18% | 71% | 1.96 |
第3回 | 2168.22% | 70.87% | 33.45% | 71% | 1.99 |
第4回 | -100.10% | 100.00% | -100.00% | 71% | -0.79 |
前回比 | -2,268.32% | -29.13% | -133.45% | ±0.0% | -2.78 |
累計 | -276.91% | -81.07% | -158.09% | -2.0% | -3.00 |
ちなみに、冒頭でも軽く触れたが、Myfxbook上に公開されている公式フォワードテストの成績データの更新は、三ヶ月ほど前から停止されたままとなっており、今回の破綻に至るまでの情報も反映されてはいない。
調子の良かった時でさえ、不定期かつ遅れてしか反映されていなかった事実を見ると、おそらく今後再びこのデータが更新されることはなく、実質的にテストの実施も終了を迎えたと考えて良いだろう。
月間獲得利益の推移
2018年 | 2019年 | |
---|---|---|
1月 | ― | ― |
2月 | ― | +12.55% |
3月 | ― | +27.07% |
4月 | ― | +14.30% |
5月 | +78.59% | +5.30% |
6月 | +25.25% | -100.00% |
7月 | +35.61% | ― |
8月 | +79.59% | ― |
9月 | +36.42% | ― |
10月 | +33.67% | ― |
11月 | +33.03% | ― |
12月 | +20.01% | ― |
累計 | +342.17% | -40.78% |
そこで、以上の前提を踏まえた上で、今回は特例として、「Forex Kore EAの実績」および「月間獲得利益の推移」において、MyfxbookではなくFXBlue上に公開されているデータを引用することとした。
「前回比」どころか「累計」の項目までもが真っ青に染まってしまっている景色を前にすると、改めて「口座が破綻した」という無慈悲な現実を噛み締めさせられる思いだ。
今回の総評
常に破綻と隣り合わせの急成長を果たしてきた『Forex Kore EA』だったが、ついに今回、身の内に抱え続けたリスクの “魔手” から逃れ切ることができず、凄絶な最期を遂げる結果となってしまった。
しかしながら、確かに今回の破綻劇は、思わず目を見開いてしまうような急激な展開を見せたことは事実だが、一方で、決して「予想だにしていなかった展開」だったとは言えないはずだ。
『Forex Kore EA』が、世に言う「ハイリスク・ハイリターン系EA」である以上、遅かれ早かれ破綻を迎えることは、設計段階から織り込み済みの「想定された事態」であり、その意味では今回の破綻も、“予定調和の悲劇” だったとさえ言えるだろう。
そして、今回『Forex Kore EA』を襲ったこの悲劇は、我々に一つの重要な教訓を授けてくれる。
その教訓とは、『ハイリスク・ハイリターン系EAは、「遅かれ早かれ破綻する」ということを前提にして運用するべし』ということだ。
「破綻を前提にした運用」という字面からは、非常にネガティブな印象を覚えるかもしれないが、実際には決してそうではない。
『Forex Kore EA』のような「ハイリスク・ハイリターン系EA」は、破綻と背中合わせのリスクに見合うだけの爆発的な収益性を備えている場合が多いため、EAの購入代金や初期証拠金などの「初期投資」を短期間で回収できる確率は、一般的なEAよりも高いと言える。
首尾良く利益の中から初期投資の回収に成功しさえすれば、後はその口座が生み出す利益はすべて純粋なプラスでしかなく、よしんば口座が破綻しようとも、初期投資の回収が済んでいる以上は、決して最終的な収支がマイナスになることはない。
つまり、「口座がいつ破綻してしまっても構わない」という状態を、如何にして一秒でも早く作り上げられるかが、「ハイリスク・ハイリターン系EA」の運用における勝負所だと言えるだろう。
これが「破綻を前提にする」という言葉の意味であり、もし “破綻を前提にした状態” を作り上げることに成功したならば、そのEAの運用においては、もはや勝利を収めたと言っても過言ではないかもしれない。
もちろん、この “必勝法” は、何も「ハイリスク・ハイリターン系EA」に限って適用される話ではないのだが、その特性上「ハイリスク・ハイリターン系EA」は、他のより安全重視のEAよりも、上述の条件を短期間で満たしやすいと言える。
とは言うものの、そもそも “破綻を前提にした状態” にまで持っていくことが、そう容易なことではないことを忘れてはならない。
「無謀な突撃」と「勇気ある挑戦」を履き違えてはならないように、時には状況に応じて、撤退する冷静さも必要だ。如何に破綻を前提にしようとも、回避し得る破綻の未来にまで、わざわざ突っ込んでいく必要はどこにもないだろう。
非常に残念ながら今回、「口座の破綻」という悲しい形での幕引きを迎えることとなってしまった『Forex Kore EA』だが、だからと言って、破綻するまでの実績が無かったことにも、嘘だったことにもならないはずだ。
一旦の終幕と相成った公式フォワードテストが、ここから仕切り直されるのか、はたまたこのまま骸を晒し続けるのかは不明だが、何かまた動きが見られれば、経過観察を更新したいと思う。
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