『Forex inControl Reborn』評価
収益性:(4.5)
安定性:(4.0)
信頼性:(2.0)
総合評価
(3.0)☆☆ 注目株!☆☆
『Forex inControl Reborn』基本情報
- 【取引通貨ペア】: 2種類
対応している通貨ペア
● 豪ドル/米ドル(AUDUSD)
● ユーロ/英ポンド(EURGBP)
- 【スタイル】:デイトレード ~ スイングトレード
- 【販売価格】: 220 ~ 270ドル(最大30日間の返金保証サービスあり)
- 【最低入金額】: 450ドル(AUDUSD) / 320ドル(EURGBP)
- 【推奨入金額】: 1,286ドル(AUDUSD)/ 915ドル(EURGBP)
- 【推奨時間足】: 任意
- 【推奨レバレッジ倍率】: 1 : 200 以上
対応している通貨ペアの種類が二種類だけというEAは、特筆するほど珍しい存在ではないが、その内訳が「豪ドル/米ドル(AUDUSD)」と「ユーロ/英ポンド(EURGBP)」というのは、あまり類を見ないだろう。
また、取引履歴によると、平均取引時間は「6日間」とのこと。時に24時間以内に決済されることもあるようだが、「スイングトレード系EA」に分類して差支えはないだろう。
そのほか、最低入金額は、取引する通貨ペアによって異なる額に設定されているが、推奨入金額については、同一の計算式から算出することが可能だ。
推奨入金額の計算式
【推奨入金額】 = 最小入金額 ÷ 最大許容リスク(%)× 100
なお、最大許容リスクについては、設定値の目安として「証拠金に対して35%」が公式に推奨されている。ただし、後述の「アクセラレーターモード」使用時には、推奨値は「証拠金に対して20%」となる点に要注意。
ちなみに、最低入金額に対する推奨ロット数は、「0.01」ロットとされている。
メンバーシップの特徴
通常版 | アクセラレーター版 | |
---|---|---|
価格 | 220ドル | 270ドル |
利用可能なリアル口座数 | 最大1つまで | |
利用可能なデモ口座数 | 非公開 | |
返金保証サービス | 最大30日間(※返金条件あり) | |
アップデート保証 | 無償 | |
ユーザーサポート | 24時間 & 年中無休 | |
対応プラットフォーム | MT4 | |
アクセラレーターモード | ×(非搭載) | 〇(搭載) |
また、『Forex inControl Reborn』には、二種類のバージョンが用意されているが、価格を除けば、両者の間における仕様の差は、「アクセラレーター・モード(Accelerator Mode)」の有無という一点しか存在しない。
そのほか、利用可能な口座数に関しては、公式サイト上に詳細な記述がないため断言はできないが、おそらくは『FXAdept』などと同様に、「口座の種類を問わず、最大1つまで」という仕様だと推察される。
なお、他の多くの海外製EAと同様に、このEAも「最大30日間の返金保証」を謳っており、またやはり他と同様に、その適用について明確な条件を設定している。
以下は、返金が適用されるための条件。購入を検討している人は、ぜひ一読しておいてほしい。
We provide a full money-back guarantee during 30 days. If our software doesn’t perform as it should, you will get your money back.
Also if a drawdown in the balance of your account is more than 40%, a refund will be initiated immediately, on condition that you have used our recommended settings.
我々は、30日間の完全返金保証を提供しています。もしEAが本来あるべきように動作しなかった場合、返金が実行されます。
また、万が一、推奨設定で運用していたにもかかわらず、口座残高に対するドローダウンが「40%」以上に達した場合にも、返金は速やかに実行されることになります。
『WallStreet Forex Robot 2.0 Evolution』や『Volatility Factor 2.0 Pro』の掲げる「無条件返金保証」には流石に及ばないものの、「返金に応じないこと」を前提にした悪質な条件設定が溢れるこの世の中で、比較的に良心的な条件だと言えるだろう。
また、「40%」という最大ドローダウンに関する設定からは、EAの性能や安定性に対する自信の程も伺える。
『Forex inControl Reborn』の特徴
2014年に発売された「Forex inControl」の後継版として、2016年に登場した『Forex inControl Reborn』。
前作で得たノウハウと顧客からの声が反映された結果、幾つもの興味深い改良が加えられ、文字通りEAとして “生まれ変わる(reborn)” こととなったようだ。
厳格なドローダウン管理システム
『Forex inControl Reborn』には、独自のアルゴリズムに基づいた強固な「ドローダウン管理システム」が搭載されている。
公式サイトによると、「常に想定される最大ドローダウンを計算し、その計算の結果に基づいて、自動的にすべての取引にストップロスが設定されるため、市場の状況に左右されにくく、安定した取引を実現する」とのことだ。
なお、もはやEAの世界においては “当然” のことなので落胆のしようもないが、そのアルゴリズムの詳細については、一切明らかにされていないことを補足しておく。
グリッドトレードを基本戦略にしたスイングトレード系EA
前述したように、この『Forex inControl Reborn』は、「スイングトレード系EA」に属する製品なのだが、残念ながらロジックの詳細については、公式サイト上に情報はほぼ何も公開されていない。
ただし、取引履歴からは、グリッドトレードが戦略の基本となっていることが読み取れるほか、実際の運用者からは、「追加ポジションのロットサイズ管理に関しても、単純なナンピンやマーチンゲール法とは異なる独自のロジックが実装されている」との情報が寄せられている。
取引履歴を見る限りでは、確かに「ポジションを追加する度にロットサイズを増加させる」というような単純なロジックではなく、直前までの取引の勝敗(含み損益)を参考にして、ロット数を適切に増減させているようだ。
このロットサイズの管理アルゴリズムにも、上述の「ドローダウン管理システム」が絡み合っているのかもしれない。
二種類の通貨ペアでの取引に特化
前作の『Forex inControl』は、四種類の通貨ペアに対応していたが、今作では、収益性とリスク分散の観点から、敢えて二種類の通貨ペアに厳選。
なお、「互いが互いに相手の損失を補い合える関係にある」ため、「豪ドル/米ドル(AUDUSD)」と「ユーロ/英ポンド(EURGBP)」との組み合わせが選出されたようだ。
三段階のリスク設定
「Conservative(保守的)」、「Normal(標準)」および「Aggressive(積極的)」の三段階のリスク設定が用意されており、相場の状態や運用者の好みなどに応じて、背負うリスクの大きさを調節することが可能になっている。
また、公式にどれか一つの設定が推奨されているということも特になく、「Normal」設定から様子を見て、必要があれば残り二つの設定に切り替えていくのが無難だろう。
アクセラレーター・モードの実装
間違いなく、“reborn(生まれ変わり)” における最大の進化は、この「アクセラレーター・モード」の実装だと言える。
詳細については不明だが、この機能を有効化することで、「市場の動きが安定している状況において、リスク自体は無効化時と同等に抑えつつも、収益性を大幅に向上させることが可能」とのことだ。
ただし、「市場の動きが安定している状況において」という “注釈” の存在は、決して軽視すべきではないだろう。
裏を返せば、不安定な市場においては、想定外の大損失を被ることになりかねないため、有効化する際は、市場の状態を慎重に見極めることを忘れないようにしてほしい。
なお、公式サイト上に公開されているバックテストの結果を見る限りでは、相応しい状況で適切に活用すれば、絶大な効果を得られるようだ。
『Forex inControl Reborn』の成績
資産曲線は、いかにも「調子の良いグリッドトレード系EAです」と言わんばかりの形を描いているが、実際の成績も、その印象に見合った良好な数字を記録している。
通算利益は、運用開始からおよそ一年間の間に「291.65%」に達しているほか、平均月利についても、「11.31%」というかなり好ましい数字を叩き出しており、その収益性の高さには、目を見張るものがあると言えるだろう。
一方で、最大ドローダウンは、「18.57%」という低い水準に抑えられているのだが、この辺りは、ご自慢の「ドローダウン管理システム」の面目躍如と言ったところか。
また、通算勝率も「72%」と高水準にあり、プロフィットファクターに至っては、「3.87」という驚異的な数字を記録。
ただし、一般論として、プロフィットファクターの値は高い方が好ましいとされる反面、高すぎるプロフィットファクターの値は、「カーブフィッティング(過剰な最適化)」の可能性を示唆するものでもある。
システムとしての長期的な有効性や安定性には、やや懸念が残されていると言えるが、少なくとも現時点では、非常に優秀な成績を収めていることは間違いないだろう。
月間獲得利益の推移
2018年 | 2019年 | |
---|---|---|
1月 | ― | +5.41% |
2月 | +9.85% | +11.32% |
3月 | +18.88% | ― |
4月 | +17.49% | ― |
5月 | ― | ― |
6月 | +10.56% | ― |
7月 | +18.82% | ― |
8月 | +9.69% | ― |
9月 | +19.67% | ― |
10月 | +8.7% | ― |
11月 | +12.69% | ― |
12月 | +2.99% | ― |
累計 | +129.34% | +16.73% |
また、『Forex inControl Reborn』は、非常に取引頻度の低いEAであり、この一年間での取引回数も、僅か「54回」に過ぎない。
取引回数の少ないうちは、基本的にプロフィットファクターの値もあまり当てにはならないため、そう深刻に捉える必要はないものと思われる。
なお、月間獲得利益の推移を見ると、昨年末にぐっと調子を落としている様子も見て取れるが、現在は着実な回復傾向にあり、あまり不安視する必要もなさそうだ。
『Forex inControl Reborn』の信頼性
その製品や販売会社が「SCAM(詐欺商材)」でないかどうかを、しっかりと見極めることは、EAによる自動売買における通過儀礼のようなものだが、初心者から上級者まで、等しく重要な作業だと言える。
ここからは、『Forex inControl Reborn』の信頼性について評価していきたいと思う。
前作の評判が悪い
『Forex inControl Reborn』における最大の懸念は、前作『Forex inControl』の評判が、すこぶる悪いという点に尽きるだろう。
レビューや口コミの数は、少ないどころかむしろ多いくらいなのだが、「グリッドトレードとマーチンゲール法の組み合わせによる非常にリスクの高い戦略だ」という批判が集まり、また実際の運用者たちから口座の破綻も報告されている。
中には、「SCAM」だと断言する人もおり、少なくとも前作に関して言えば、散々な評価を受けているという事実は、しっかりと認識しておくべきだろう。
肝心な情報が公開されていない
『Forex Gump EA』のように、公式サイト上にほとんど何も情報が公開されていない製品も珍しくない中で、このEAは、比較的に多くの情報を公開していると言えるだろう。
しかしながら、その一方で、肝心な部分については、あまり多くが開示されていない印象を覚える。
例えば、「アクセラレーター・モード」についても、「どのような状況で効果的に機能するのか」ということについての説明はあっても、「どのような仕組みで動作するのか」という部分については、一切の言及が見られない。
別にEAの世界では特段珍しいことではないため、決定的なマイナス評価に繋がるとは言わないが、公開している情報量が多いだけに片手落ちな感は否めないだろう。
過去にフォワードテストが破綻している可能性がある
このEAが発売されたのは2016年のことだが、現行フォワードテストは、2018年2月から開始されている。
確証がある訳ではないものの、単純に考えれば、2017年内に一度フォワードテストが終了している可能性に行き着くだろう。
そのこと自体については、EAという製品の性質上、販売元の信頼性を大きく傷つけるようなものではないと思われるが、純粋に「EAとしての信頼性(安全性)」という観点から見ると、決して好ましいものではないはずだ。
よって、“疑わしきを罰する” という厳格な批評の精神を以て、「信頼性」と「安定性」に対してマイナス評価を下すことにしたい。
前作からの改善が随所に見られる
一方で、今作に生まれ変わってからについて言えば、幾つもの変更や改善が見られ、前作で特に問題視されていた部分にも、大きく手が入れられることとなった。
前作において、「グリッドトレード」と「マーチンゲール法」を組み合わせた非常にハイリスクなロジックの存在が、最も多くの批判を集めていたことは、前述の通りだ。
しかしながら、その痛烈な批判を真摯に受け止めた結果なのか、新たな「ドローダウン管理システム」の実装に始まり、リスク分散の観点から取引通貨ペアを厳選するなど、今作においては、「リスク管理」にかなり注力されている様子が随所に窺える。
また、取引履歴を眺める限りでは、マーチンゲール法も廃止されているように見受けられる。
だからと言って、これまでに培ってきた悪評や疑念を、すべて払拭するに足りている訳ではないが、少なくとも「今作にはプラス評価に値すべき点がある」と言っても良いはずだ。
『Forex inControl Reborn』の総評
本レビューの結論としては、「過去に多くの “傷” があり、今後爆発しかねない “爆弾” を抱えてもいるが、現状だけを評価するならば、全体的にかなり優秀なEA」といったところだろうか。
前作の実績と評判が最悪だったことは否定しようのない事実だが、それでも改善の形跡が見られる以上、ひとまず現時点においては、今作とは切り離して考えるべきだろう。
少なくとも現行フォワードテストの結果を見る限りでは、ロットサイズも安全圏から逸脱することなく堅実に管理されているほか、取引頻度を激減させる代わりに、精度の高いエントリーを実現しているようだ。
ドローダウンの膨らみやすいグリッドトレード系EAでありながら、最大ドローダウンを「18.57%」に抑えている事実や、「72%」という比較的に高い勝率も、それを裏付けているように思われる。
とは言うものの、『Forex inControl Reborn』が、現時点において手放しで信頼に値するような存在ではないことも、また揺るぎない事実だろう。
一方で、現在の成績から垣間見えるEAとしての素性には、非常に興味深いものがあるのだが、如何せん見えている部分が「本性」かどうか確証を得られないため、ある程度の時間をかけて慎重に見極める必要があると言える。
仮にこのEAが “本物” だったとしたならば、より取引頻度の多いスキャルピング系EAやデイトレード系EAと組み合わせて、リスク分散を図りながら堅実に運用したり、あるいは逆に、完全なる余剰金を利用してとことんまでハイリスクな運用を行い、限界までハイリターンを狙ったりするのも面白そうだ。
はたして、この “更生中” のEAは、このまま無事にお務めを果たして文字通り「生まれ変わる」ことができるのだろうか。
過去の悪評から、つい批判的な目で見たくなってしまうだろうが、なるべく中立的な視点に立ち、腰を据えて “保護観察” を続けていくことにしたい。
要チェック!
EAの経過観察を更新。検討材料の一つにどうぞ。
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『Forex inControl Reborn』の購入方法
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また、「PayPal」や「Wire Transfer(電信送金)」による支払いにも対応している。
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